公務員のボーナスが「66万円」と聞きました。私は今年の夏ボーナス「20万円」だったのですが、公務員のほうが“高収入”なのでしょうか?

AI要約

2024年の国家公務員の夏季ボーナス平均額は約65万9400円で、前年よりもアップしている。

民間企業と比較すると、公務員のボーナスは安定的に支給されるが、民間企業の中にはボーナスが高いところもある。

公務員は年収が高いが、給料が上がりにくく、年功序列型であるなどのデメリットもある。

公務員のボーナスが「66万円」と聞きました。私は今年の夏ボーナス「20万円」だったのですが、公務員のほうが“高収入”なのでしょうか?

夏のボーナスを何に使おうかと考えている人も多いのではないでしょうか。お盆の帰省や夏休みにボーナスを活用している人もいるかもしれません。ボーナスの話題が取り上げられると、つい自分の金額と比べてしまう人もいるでしょう。

公務員のボーナスについてもしばしば話題になり、公務員がどれだけもらっているのか気になるという人もいるでしょう。本記事では公務員のボーナスについて紹介していきます。

内閣人事局が公表しているデータによれば、国家公務員の2024年の夏季ボーナス平均額は約65万9400円でした。昨年よりも約2万2100円(約3.5%)アップしています。

公務員の給与やボーナスは、法律に基づいて決められています。基本的には、民間のボーナス支給額を基礎として支給額が決定されるため多少の増減はあるものの、民間企業の業績連動型ボーナスに比べて安定的に支給されると考えられます。

日本経済団体連合会が公表しているデータによると、2024年の大手企業(17業種97社の集計結果)における夏季ボーナスの全業種平均は約84万円(加重平均では98万円)となっています。

この金額を見ると、「民間企業のほうが公務員よりもボーナスが多いの?」と思うかもしれませんが、「現実的にはそんなにもらえるわけがない」と感じる人も多いのではないでしょうか。実際、民間企業のボーナス支給額は企業規模によってかなりの差があります。2023年のデータでは、図表1のとおり、5名~29名の事業規模の夏季ボーナスの平均はおよそ27万円でした。

日本では中小企業の割合が企業全体の99%を超えており、70%近くの人が中小企業に勤めています。そのため、実際には多くの人のボーナス額は国家公務員よりも少ないのが現実ではないでしょうか。

図表1

厚生労働省 毎月勤労統計調査令和5年9月分結果速報等 を基に作成

同じく内閣官房内閣人事局が公表している資料のモデルケースでは、国家公務員の地方機関課長(50歳)の年間給与は676万1000円(月額41万4300円)となっています。また、総務省が公表している地方公務員の給与月額は30~40万円程度の金額が多くなっています。役職などによって異なりますが、おおむね同水準の給与と考えると、一般的にいえば公務員の収入は高収入で安定といえるかもしれません。

しかし公務員は、民間企業と比較すると以下のようなデメリットもあるといわれています。

●頑張っても給料が上がりにくく、超高収入を得ることも難しい

●部署によって忙しさに差がある

●年功序列型であることが多い

●クレーム対応が多い

公務員には年齢制限(職種や地域によって異なる)もあるため、一般的にある程度の年齢になってから公務員に転職する人は少ないと考えられます。公務員は年収が高いとうらやむよりも、自分の給与やボーナスはどうやったら上がるのかなと考えるほうが建設的かもしれません。

出典

内閣官房内閣人事局 令和6年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給

内閣官房内閣人事局 国家公務員の給与(令和6年版)

一般社団法人日本経済団体連合会 2024年夏季賞与・一時金・大手企業業種別妥結状況(第1回集計)

厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等

総務省 令和5年 地方公務員給与の実態

執筆者:御手洗康之

CFP、行政書士