「大雨やゲリラ豪雨でぬれた革製品」どうケアするのが正解? 愛用の革小物に「シミができた際の対処法」は? メンテナンス次第で寿命は変わる!?
革製品が雨などでぬれてしまった場合の適切なメンテナンス方法について解説しました。ぬれた革製品の乾燥や保湿、シミの処理など、具体的なケアの手順が記載されています。
また、使い始める前の“ビフォーケア”についても触れられており、革小物の劣化を遅らせるための事前メンテナンスの重要性が説かれています。
革製品を長く愛用するためには、日常的なケアと定期的なメンテナンスが必要であることが強調されています。
台風による大雨やゲリラ豪雨が気になる季節になりました。もしも激しい雨に遭遇し、財布などの革小物がぬれてしまった場合には、適切なメンテナンスをおこなうことが重要です。
革製品は水に弱く、ぬれたまま放置すると革の変色やひび割れ、そしてカビの原因となるおそれがあります。
そこでここからは、万一、ぬれてしまった革財布や革ベルトなどのメンテナンス方法について解説していきます。
もしも財布などの革製品が雨などでぬれてしまった場合には、第一に乾かすことが重要です。もしもぬれたまま放置してしまうと、革が変色・変形したり、カビが発生したりするおそれがあるため、早急に乾燥させる必要があります。
まずは、やわらかい布やタオルを使ってぬれた革製品の表面についたり、染みこんだりした水分をできるだけ取り除きます。その際、力を入れすぎず、優しくふき取るようにしましょう。革の表面を軽くたたくようにして水分を吸い取る方法も有効です。
革製品にしみた水分を吸い取ったら、直射日光をさけ、風通しのいい場所で自然乾燥させます。ドライヤーなどで急速に乾燥させると革が硬化し、ひび割れや変色の原因になるため、時間をかけて乾かすようにしましょう。
その際、乾燥を促進させるために、革製品の内側に新聞紙や吸湿剤を入れることも有効です。ただし新聞紙を使う場合、紙面のインクが移る可能性があるため注意が必要です。
革が完全に乾燥したら、専用の保湿クリームやコンディショナーを使って革にうるおいを与えましょう。これにより革がやわらかくなり、ひび割れや変色を防ぐことができます。
保湿クリームは、革の表面に均一に塗布するようにします。革が完全に乾いていることを確認した後、クリームやコンディショナーを布やスポンジに取り、薄く広げるようにして革全体に塗り込みます。
ただし、革によっては色落ちするおそれがあるため、クリームを塗布する際は事前に目立たない箇所でテストをおこなうことをおすすめします。
ちなみに、ぬれた革製品が乾燥した後に水のシミや汚れが残る場合、専用の革クリーナーや革用のクリーニングキットを使って処理します。
ただし、強力なクリーナーを使うと革の色落ちや損傷を引き起こすおそれがあるため、革製品に適したものを選ぶことが重要です。
使用する際は、革クリーナーを布やスポンジに取り、汚れが気になる箇所を優しくなでるようにして処理します。処理後は乾いた布でふき取り、クリーナーの残留物をしっかりと除去しましょう。
●使い始める前の“ビフォーケア”で事前のメンテナンスを
このように、万一、水にぬれてもケアをしっかりおこなうことで、より長く愛用できるようになる革小物。それと同時に、新しく“下ろす”際の事前のケアも有効です。
革小物は、タンナーが仕上げた革が問屋を経由して工房に届き、それを裁断・縫製して製品となります。しかし、革が仕上がってから革小物が出来上がるまでにはそれなりの時間が経っており、保管状況などによっては原皮を革へとなめす際にしみこませたオイルなどが乾いたり、革から抜けてしまったりしていることもあるのだとか。
そのため日本皮革製品メンテナンス協会では、新しい革小物を使い始める前に、あらかじめクリームなどで適切なケアを施すことをおすすめしています。
この“ビフォーケア”によって革から抜けた油分などを補ってやると革自体が強くなり、水がしみこみにくくなったり、余分な汚れがつきにくくなったりするといいます。つまり革自体の劣化を遅らせることができるのです。
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以上、愛用する革財布や革ベルトが雨などでぬれてしまった場合の適切なメンテナンス方法をご紹介しました。
革製品はデリケートなアイテムなので、日常的なケアが肝心。定期的なメンテナンスをおこないながら、長く愛用できるよう気を配りたいものです。