57歳独身女性「自由にお金を使ってきたけど、老後も変わらず暮らしたい…」定年前後から始める資産形成に必要なこと
会社員のAさん(57歳)は老後資金に対する不安からFPに相談に訪れる。現状や将来の収支、ライフプランを調査し、老後生活の優先事項に基づいて対策を検討する。
Aさんの現在の収支や資産状況、老後の希望を踏まえ、60歳での退職や働き方の変更を含めた計画を立てる。資産の不足が判明し、延長雇用制度を利用して老後資金を増やす決断をする。
ライフプランに基づいて、長期的な資産運用や老後生活に向けた具体的な対策を考える。働き方や収支の最適化、老後資金の積み立てなど、将来に向けたアクションを取る。
会社員のAさん(57歳)は定年となる60歳が近づいてきたことで、今後の暮らしや老後資金への不安が大きくなってきました。このままで老後資金は大丈夫なのかを確認したい、何か対策が必要であれば始めたい、とFPである筆者のもとに相談に来られました。
【相談内容】
ひとり暮らしだったこともあり、これまでは割と自由にお金を使ってきました。できれば老後も今と変わらない暮らしがしたいけれど、それは可能なのでしょうか。今後の働き方も含め、老後資金について相談したいと思っています。銀行にお金を預けていても増えないし、老後に備えてNISAを始めた方がいいのかも伺いたいです。
【相談者プロフィール】
・性別:女性
・年齢:57歳
・職業:会社員
・家族構成:独身
・住居:関東(持ち家)
【収入】手取り収入合計:年間約526万円
・毎月の手取り金額:約39万円
・年間の手取りボーナス額:約58万円
【支出】
・毎月の支出目安:33万円
(内訳)
・住居費:8万2千円(住宅ローン、管理費)
・食費:7万5千円
・水道光熱費:2万円
・保険料:1万8千円
・通信費:1万5千円
・車両費:2万5千円
・美容・被服費:4万円
・趣味・娯楽:4万円(団体活動費、交通費他)
・その他:1万5千円(日用品、医療費他)
【資産状況】
・現在の預貯金総額:600万円
(年間貯蓄額:65万円)
・現在の投資総額:なし
・現在の負債:157万円(住宅ローン)
Aさんに現状確認とともに、今後の働き方、老後生活において優先させたいことなどのヒアリングを行いました。
老後生活において優先したいこととして、生活レベルの維持、年1回の旅行、趣味の活動を続けることを挙げられました。その上で、老後資金が足りるようであれば60歳で退職し、仕事のペースを落としてパートなどで働くことも考えているそうです。
ヒアリングを行った内容を元に、60歳で退職し、65歳まで現在の収入の4割程度の水準で働く場合のライフプランを作成したところ、70歳で貯蓄が底をつき、老後資金が不足することがわかりました。
そこでAさんは、現在の職場で65歳まで継続雇用制度を利用して働くことを決めました。60歳以降は雇用条件が変わるため、給与水準は現状の約7割に低下するものの、働く期間を5年延長すると、資産寿命を81歳まで延ばすことができます。それでもAさんの希望する老後生活を叶えるには、なお老後資金が不足しているため、対策が必要です。