現代の社会人の「仕事に対する幸せ度」は?「80点以上」と回答する人は2022年から減少傾向に

AI要約

2024年度 幸せな仕事に関する実態調査によると、仕事に対する幸せ度は減少傾向にあり、人手不足の問題も顕在化している。

幸せな仕事実現にはワークライフバランスや福利厚生の整備が重要であり、Z世代は特にスキルアップ支援などを重視している。

DXの進展や人材育成の必要性についても調査結果が示され、今後の企業や組織にとって注力すべきポイントが明らかになっている。

現代の社会人の「仕事に対する幸せ度」は?「80点以上」と回答する人は2022年から減少傾向に

派遣事業を手掛ける株式会社オープンアップグループが運営する「幸せな仕事総合研究所」が、10代~50代の働く男女計4578名を対象に「2024年度 幸せな仕事に関する実態調査」を実施。ここ2年と比べて、どのような結果になったのだろうか。

※調査方法:インターネット調査/調査時期:2024年5月25日~5月29日/調査機関:Grillリサーチ

■「仕事に対する幸せ度」平均点は約55点!

2022年、2023年に引き続き、最高値を100点として行われた本調査。今年の「仕事に対する幸せ度」の平均は54.8点という結果になった。

そのうち「仕事に対する幸せ度」が80点以上と回答したのは23.6%で、各世代間での大きな差は見られなかった。過去の調査結果と比較すると、2022年と比較して約5ポイント減少、 2023年から約1ポイント減少と、幸せ度は減少傾向にあるようだ。

また、「仕事に対する幸せ度」に高得点を付けた人のポジティブな理由の中で最も多かったのは、「労働時間が適切で、残業や休日出勤が少ない」で、全体の20.1%を占める。続いて「会社の人間関係が良好、仲が良い」が18.0%、「福利厚生などが整備されている」が16.3%という結果に。ただし、Z世代では「福利厚生などが整備されている」という項目が17.5%と、全体平均の16.3%を若干上回っていた。

この結果から、“幸せな仕事”の実現には、プライベートの充実も含むワークライフバランスがひとつの重要な要素になると考えられる。Z世代は、特に「福利厚生の整備」を重視しているようだ。プライベート時間の確保だけでなく、家賃補助、特別休暇、スキルアップ支援など、社員自身の生活を豊かにするための環境の整備まで、現代の企業は対応を求められているのかもしれない。

■「人手不足」を感じている人は約61%

「2024年度 幸せな仕事に関する実態調査」では、「物流、運送、建設業界をとりまく2024年問題」「人手不足による倒産」といった各業界での人手不足の深刻化を受け、働き手に対する「人手不足に関する実態調査」も行われた。

「仕事における人手不足を感じる機会」について、「人手不足を感じている」と回答した人は全体の60.6%。過半数以上の働き手が人手不足を感じる環境に身を置いていることがわかった。「人手不足を感じた瞬間」としては、「十分な人員がいないため、作業時間が足りない場面」という回答が最も多く、全体の53.6%を占めた。

人手不足という環境により負担を強いられている働き手が一定数存在することが予測できるため、“幸せな仕事”につなげるための対応や改善が求められる。

そして「人手不足が及ぼす問題を改善するには何が最も必要か」という質問では、「人材育成、スキルアップの機会創出が必要」と回答した人が40.3%と最も多い結果に。業界によって異なるとは思うが、各企業が人材不足の課題に直面した際、人材を育成し、仕事の幅や可能性を広げることで、人材不足を補うことは解決策のひとつとして考えられる。

前述したとおり、Z世代は「福利厚生の整備」を重視している。個々に合わせた成⻑を支援できる制度などを企業に求めているため、スキルアップ制度は今後さらに重要な取り組みになってくるだろう。

■「DXは進んでいない」と思う人が多い状況に

このように人手不足が叫ばれているなか、解決の糸口になると考えられる「DX」についても調査を実施。たとえば、書類の電子化、Web会議ツールや経費精算システムの導入など、「DXが進んでいると思うか」と尋ねたところ、「進んでいる」と評価したのは全体の27.3%。中でもZ世代は48.4%が「DXが進んでいる」と回答しており、若年層が多く所属する企業や組織はDXが進んでいる傾向にあるようだ。

また、「DXの必要性」に関する調査では、Z世代では61.1%が「必要だ」と答えた。そのほかの世代と比べて、仕事を簡易化することで効率化を図り、無駄な仕事を省きたい、自身の生産性を向上させたいといった価値観が表れている可能性も高い。