東証4451円安、株価急落は不況の前兆か 「賃上げペース腰折れさせない」の見方も

AI要約

1987年10月19日の「ブラックマンデー」は、米国経済の双子の赤字による財政・貿易不均衡が引き金となり、株価が暴落した事件である。

日本では翌日の株価も大幅下落したが、バブル景気の影響で急速に回復し、その後も上昇を続けた。

今回の株価下落が不況の前兆となる可能性について懸念が示される一方、円高が進むことで個人消費にプラスの影響が及ぶとの見方も存在する。

東証4451円安、株価急落は不況の前兆か 「賃上げペース腰折れさせない」の見方も

米ニューヨーク市場で1987年10月19日に起きた「ブラックマンデー」は、米国経済が当時抱えていた財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」の問題が発端となり、ドル安やインフレ懸念が急速に高まったことで株価が大暴落した現象だ。その影響は世界の金融市場に飛び火した。

翌日の日経平均株価は前日終値から3836円下落し、2万1910円08銭で取引を終えた。ただ、バブル景気を背景に、株価は急回復していく。平成元年末には3万8915円に到達した。

気になるのは、今回の株価下落が不況の前兆に当たるかどうかだ。

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「たとえば10~12月の景気情勢が徐々に悪くなっていくと、日本での来年の春闘に水を差す」と、経済の好循環が崩れる恐れを指摘する。

一方で円高が進めば、輸入コストは下がり、個人消費にはプラスになる。熊野氏は「景気悪化に波及するとしても、それが賃上げペースをにわかに腰折れさせるものではない」との見方を示している。