会議室にこもって"みんな"でテレアポの驚きの効果…集中力を極限まで高める仲間選びの「最低条件」

AI要約

集中力を高めて仕事のパフォーマンスを上げるための方法について紹介されています。他者と一緒に仕事をすることや、成功している人を想像することで集中力が向上し、フロー状態に入ることができるそうです。

また、退屈な仕事でもタスクの難易度を上げることで挑戦レベルを高め、スキルレベルとのバランスからフローに入る方法が紹介されています。

さらに、目標設定やピア効果を活かす方法など、極限まで集中力を高めるためのテクニックが提案されています。

集中力を高めて仕事のパフォーマンスを上げるには何をすればいいか。研修会社らしさラボ代表の伊庭正康さんは「1人でがんばれない時は、同レベルの仲間と一緒に仕事をすると『ピア効果』が働き仕事のパフォーマンスが上がる。『同レベルの同僚がいない』『ずっと1人で作業する環境』という場合には、『同じテーマに取り組んで、成功している人や憧れの人、すごい人のことを想像する』だけでも自身の意志が強くなることがわかっている」という――。

 ※本稿は、伊庭正康『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■たとえ“退屈な仕事”でもタスクの難易度を上げる

 こんな経験、ありませんか。

 つい没頭してしまい時計を見ると「え、もうこんな時間」。

 この、“没頭”の状態を「フロー」と言います。

 心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱し、広まった概念です。

 では、どうすれば仕事で「フロー」状態に入ることができるのでしょうか。

 ここでは、仕事中、自在にフローに入るテクニックを紹介しましょう。

 フローは2つの要素で構成されています。

 「挑戦レベル」×「スキルレベル」の要素です。この2つの要素を調整することで、フローに入ることができます。

 具体的には、たとえ“退屈な仕事”であったとしても、工夫を加えて「タスクの難易度」を少し上げてみてください。そうすることで、「挑戦レベル」を高めることができます。

 「タイムトライアルにする」「できばえのレベルをアップさせる」ことで、挑戦レベルをアップさせることもオススメです。

 もう1つの「スキルレベル」とは、そのタスクを処理するスキルの高低を指し、すでに持っているスキルで対処することができればOKです。

■極限まで集中力を高めるフローに意図的に入るには

 となると、自在に調整できるのは「挑戦レベル」になります。

 「挑戦レベル」の調整について、さらに解説を加えましょう。

 重要となるのが「目標(ゴール)」の難易度の設定です。

 ラクな目標設定ではフローに入れません。ある程度の難しさは必要です。

 例えば、提案書を作成するとしましょう。

 「今までより、内容にこだわった提案書にする」のも方法の1つ。

 「この人上手だな」と思う人の提案書を参考にして、「レイアウトをより見やすくする」「箇条書きを効果的に使う」など、よりクオリティアップを目指すのもオススメです。

 ちょっとした工夫で「え、もう1時間?」と没頭できる、そんな極限まで集中力を高めるフローに意図的に入ることができるのです。

 知らないと損。ぜひ、やってみてください。

■会議室にこもって、“みんな”でテレアポの効果

 1人だと、どうしても集中力が途切れやすい時もあるでしょう。

 そんな時は、あえて「仲間がいる場所」で仕事をすることをオススメします。

 1人でがんばるよりも、仲間と一緒の方がパフォーマンスが上がる、そんな有名な法則があります。「ピア効果」です。

 ピア(peer)とは、年齢・地位・能力などが同等の仲間のことを指します。お互いが刺激をし合い、よりパフォーマンスが上がるという効果です。

 私が研修を担当する、ある企業様の実例を紹介しましょう。

 その会社では、テレアポで新規開拓の営業をされていました。

 テレアポは、思った以上に精神的に辛さを感じる仕事の1つです。

 「今は結構」「決まった業者がある」と断られるのは、まだマシな方。中には「二度とかけるな」「仕事の邪魔をするな」など、辛辣な言葉を投げかけられることも。

 その苦行のような電話を1人あたり、1日に100件以上かけることを目標にされていたのです。

 でも、うまくいっていませんでした。1人あたりの架電数は平均50件にも満たない状況だったのです。

 そこで、対策として行ったのが「ピア効果」を活かす方法。

 参加者は4人。会議室にこもって、“みんな”でテレアポをしていただきました。

 それだけで、全員が1日100件の電話ができるようになったのです。

 参加者からいただいたのは、「しんどくなかった」「あっという間だった」との声でした。