〔NY外為〕円急伸、一時149円台後半=4カ月ぶり高値(31日朝)

AI要約

日銀総裁の発言で円高・ドル安が進み、円相場が4カ月ぶりの高値を記録

米ADPの雇用報告が予想を下回り、ドル売り・円買いが後押し

米FOMCの結果待ちで円相場は一部落ち着きを見せる

 【ニューヨーク時事】31日午前のニューヨーク外国為替市場では、日銀の植田和男総裁がさらなる追加利上げの可能性を示唆したことで円買い・ドル売りが加速し、円相場は一時1ドル=149円79銭近辺まで上昇、3月中旬以来約4カ月ぶりの高値を付けた。午前9時現在は150円30~40銭と、前日午後5時(152円72~82銭)比2円42銭の大幅な円高・ドル安。

 海外市場では日銀の追加利上げを受けて、円買い・ドル売りが先行。その後、植田和男総裁が会合後の記者会見で、今後の金融政策運営に関して「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げていくことになる」と言及。植田総裁のタカ派寄りの発言を受け、日銀がさらに追加利上げを行う可能性があるとの観測が広がり、円買い・ドル売りが加速した。

 米民間雇用サービス会社ADPが31日発表した7月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)は前月比12万2000人増。4~6月期の米雇用コスト指数も前期比0.9%上昇。いずれの統計も市場予想を下回ったことから、ドル売り・円買いを後押しした。

 ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による記者会見を控え、内容を見極めたいとの見方から、円は149円台の高値を付けた後は上げ幅を一部削っている。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0840~0850ドル(前日午後5時は1.0810~0820ドル)、対円では同162円90銭~163円00銭(同165円10~20銭)と、2円20銭の大幅な円高・ユーロ安。