「先頭に立って改善することが経営責任」是正命令のトヨタ・佐藤恒治社長一問一答

AI要約

トヨタ自動車が国土交通省から是正命令を受ける「型式指定」の認証不正問題について、組織体制の改善や再発防止策の取り組みを表明。

問題の背景や不正車種の扱いについて説明があり、今後の生産に向けた取り組みも明らかに。

トヨタグループの見解として、不正は意図的な隠ぺいではなく、経営の関与や試験結果の管理体制の課題が指摘されている。

「先頭に立って改善することが経営責任」是正命令のトヨタ・佐藤恒治社長一問一答

自動車の大量生産に必要な「型式指定」の認証不正問題を巡り、トヨタ自動車は31日、国土交通省から組織体制の改善を求める「是正命令」を受けた。佐藤恒治社長は31日、国交省内で記者団の取材に応じ、問題の背景について「現場と経営の両面に課題がある」と述べ、再発防止策を早急に取りまとめ、認証業務の基盤づくりに取り組む考えを示した。佐藤社長の主な一問一答は以下の通り。

■考え方甘かった

――国交省の立ち入り検査によって今回、新たに7車種で不正が発覚した。

「追加になったのは海外当局から認可を受けた案件だった。国交省の立ち入り検査の中で再確認した結果、われわれの調査の前提条件や結果の理解に対する考え方が甘かった部分があった。真摯に受け止めている」

――不正車種が拡大してユーザーが不安を感じている

「今回の対象車両のすべてにおいて、基準に対して適合性の確認が終わっているので、車にそのまま乗り続けていただいて問題はない」

――今後の生産については

「6月以降、出荷停止になっていた『ヤリスクロス』など3車種は9月上旬をめどに生産の再開をさせたい。今回追加で対象となった『ノア・ヴォクシー』は7月29日から出荷を停止していたが、可及的速やかに再開する方向で調整している」

■意図的な隠ぺいではない

――トヨタグループで認証不正による是正命令の行政処分が相次いで受けている原因は

「一つは経営の関与だ。認証業務が現場に依存した体質になっている。もう一つは試験結果のデータの管理体制そのものに甘い部分があった。改善すべき課題が多くあり、これらの環境整備を経営の責任でしっかり取り組むよう指導を受けた」

――国交省からは意図的な不正が行われていたという言及があったが

「意図的な隠ぺいということではない。エンジニアリング的な考察が先に立ってしまって、手順と乖離していることに対し、問題と認識していなかった。認証業務の中の細部の手順が十分整備できておらず、人の判断が入ってしまう余地があった」

――不正は撲滅できるか