メキシコ第2四半期GDP鈍化、来月利下げ再開との観測強まる

AI要約

メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)が第2・四半期国内総生産(GDP)速報値を発表し、成長が鈍化したことが明らかになった。

高金利や物価高、メキシコペソ安などの影響で成長ペースは減速しており、中央銀行が利下げを再開する観測が強まっている。

エコノミストたちの指摘によると、成長率の減速や経済の弱さ、米連邦準備理事会の利下げ見通しなどが中銀に利下げ再開を促す要因となっている。

[30日 ロイター] - メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)が30日発表した第2・四半期国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.2%増と第1・四半期の0.3%増から伸びが鈍化し、ロイターがまとめたエコノミスト予想の0.4%増を下回った。

プラス成長は11期連続。ただ高金利や物価高、最近のメキシコペソ安による競争力低下などを背景に、成長ペースは減速が続いている。

こうした中で市場では、メキシコ中央銀行が8月8日の会合で利下げを再開するとの観測が強まりつつある。

中銀は3月に25ベーシスポイント(bp)の利下げを決めた後、5月と6月の会合では根強いインフレを理由に政策金利を11%に据え置いた。

パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、アンドレス・アバディア氏は「実質GDP成長率はここ数四半期で急減速しており、中銀は今後の会合で緩やかな利下げを迫られるとの見方を助長する材料になる」と指摘した。

キャピタル・エコノミクスの新興国市場エコノミスト、キンバリー・スパーフェッチャー氏は、第2・四半期GDPは幅広い分野で精彩を欠き、メキシコ経済に前向きの力がなかなか働かないことが改めて示されたと説明。こうした経済の弱さや、7月前半のコア物価上昇率の下振れ、9月に米連邦準備理事会(FRB)の利下げが見込まれる点が、メキシコ中銀に利下げ再開を促す要素になると予想した。