もう誰も習近平を止められない…!中国に誕生した「絶望のチーフエコノミスト」の正体

AI要約

中国政府が乗用車や家電の買い替えを促す補助金を拡充する方針を発表

不動産業への支援策が不十分な中、地方政府の財政悪化が深刻化

3中全会の決定内容に対する批判が高まる中、中国経済の不安が広がる

もう誰も習近平を止められない…!中国に誕生した「絶望のチーフエコノミスト」の正体

中国政府は7月25日、「約3000億元(約6兆4000億円)を投じて乗用車や家電の買い替えを促す補助金を拡充する」と発表した。これから発行する予定の超長期特別国債(1兆元規模)から資金を捻出する考えだ。

具体的には、電気自動車(EV)など新エネルギー車の買い替え補助金を1万元から2万元に引き上げる。自動車産業は関連分野を含めると国内総生産(GDP)の1割近くを占めるとされているが、国内販売台数が2ヵ月連続で前年割れしており、補助金の大幅拡充でテコ入れを図る狙いがある。

不動産不況によって販売が低迷している家電(テレビ、エアコン、パソコンなど8種類)についても、原則として販売価格の15%を補助する。

中央政府がようやく重い腰を上げた形だが、「産業全体が抱える在庫は5月時点で16兆7000億元(約357兆円)に上る」との試算があり、急速な勢いで悪化する中国経済を救うには力不足だと言わざるを得ない。

さらに問題なのは、関連分野を含めると国内総生産(GDP)の3割近くを占める不動産業への支援策ではないことだ。

不動産業の振興を積極的に推し進めてきた地方政府の財政は、極度に悪化している。地方政府の主要財源である今年上半期の土地売却収入は、前年比18%減となった。1~5月の14%減から落ち込みが加速している。

地方政府の昨年の財政赤字は15兆元(約320兆円)と過去最高となった。地方政府の資金調達事業体(融資平台)も66兆元(約1430兆円)の負債を抱えている。

中国株は23日、約半年ぶりの大幅下落となった。3中全会の開催中(15~18日)は、いわゆる「国家隊」と呼ばれる公的ファンドによる買い支えで株価が上昇したが、23日の下落はこうした値上がり分をすべて帳消しにしてしまった。

3中全会の決定内容に対する海外の評価も散々だが、気になるのは特にメディアから習近平国家主席を揶揄する発言が飛び出していることだ。

「内容の乏しい方針は職務怠慢に等しい。中国にはこのような消極的な姿勢でいる余裕はない」(7月24日付フォーブス)

「中国当局はお茶を濁すことを好んでいるかのようだが、投資家の忍耐は限界に近づいている」(7月22日付ロイター)

「習近平国家主席が今や中国のチーフエコノミストになった」(7月24日付ブルームバーグ)

経済音痴の習氏の顔色をうかがった政策しか出ないことに経済メディアも投資家も呆れており、その悲惨な中身は論評に値しなくなっている。

後編『世界一の中国「監視システム」に国民の抵抗がはじまった!「失業手当を返還せよ」「ボーナスを返せ」地方政府も暴走…「習近平経済」の悲惨な実情』では、打つ手を失った地方政府の暴挙と習氏の政策で力を失っていく中国の実態を詳しくお伝えしていこう。