エーザイ株が急落、欧州での認知症薬「レカネマブ」 の承認否定勧告を嫌気

AI要約

エーザイ株が急落した理由は、欧州医薬品庁がアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の販売承認を勧告しないというニュースが出たためだ。

欧州当局は、認知機能低下を遅らせる効果と脳腫脹などの副作用リスクのバランスが取れないとして承認見送りを決定した。

エーザイとバイオジェンは再審議を求めたが、当局に提供する情報は未明確化。日本を含む一部の国では既に承認済み。

エーザイ株が急落、欧州での認知症薬「レカネマブ」 の承認否定勧告を嫌気

[東京 29日 ロイター] - 29日の東京株式市場でエーザイ株が急落している。欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)が26日、同社と米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、販売承認しないよう勧告したことが伝わり、嫌気する動きが先行している。株価は一時11%安の5851円に下落した。

「日米などでは、承認したうえで使用対象を絞り込む流れで、欧州でも承認はされるとみられていたため、ネガティブサプライズといえる」(東海東京インテリジェンス・ラボの赤羽高シニアアナリスト)との見方が聞かれる。欧州委員会はEMAの見解に沿った決定を下すことが多い。

欧州当局は、認知機能低下を遅らせる効果が、脳腫脹などの重篤な副作用のリスクに見合わないとした。市場では「費用対効果を慎重にみて、時期尚早という判断だろう」(東海東京の赤羽氏)との受け止めがある。

エーザイとバイオジェンは再審議を求めると表明。ただ、当局にどのような情報を提供するかは明らかにしなかった。レカネマブは日本のほか、米国、中国、香港、イスラエル、韓国で承認されている。