「今のはパワハラですよね?」部下の指摘が怖くて指導できない上司に教えたい“重大な盲点”

AI要約

近ごろは職場でのハラスメントが問題になっています。そのため、パワハラ扱いされることを恐れ、部下の提案を何でも受け入れてしまう上司がいる。

寛容すぎる上司は部下からの評価が高いとは限らず、指導しないことで部下の成長の機会を奪うリスクがある。

パワハラ問題の避け方として、ハラスメントと指導の違いを明確にし、周囲との信頼関係を築くことが重要だ。

「今のはパワハラですよね?」部下の指摘が怖くて指導できない上司に教えたい“重大な盲点”

「今のはパワハラですよね?」と指摘されるのをおそれ、寛容に振る舞う上司がいます。が、実はそれによって別の問題が起こることに気づいているでしょうか。著書に『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』などがある漫画家・イラストレーター・グラフィックデザイナーのJamさんが、自身の経験を基に解説します。

■何にでも寛容な上司になればいいわけではない

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 近ごろは職場でのハラスメントが問題になっています。そのため、パワハラ扱いされることを恐れ、部下の提案を何でも受け入れてしまう上司がいます。やたらと何でも否定したり、すぐに怒ったりする上司よりはいいのかもしれませんが、寛容すぎる上司は本当に部下からの評価が高いのでしょうか? 

 パワハラ問題では部下の被害ばかりが注目されがちですが、実際は上司のほうも大変です。ささいなことでパワハラにならないように、と気を遣い、正当な指導を心がけていたとしても、部下が少し不快に感じたというだけで、「今のはパワハラですよね?  訴えますよ?」と、過剰にハラスメントを主張して「ハラスメントハラスメント」で嫌がらせをされることもあります。

 だからといって、パワハラ扱いを恐れて、何にでも寛容な上司になればいいというわけではありません。何も指導しないほうが楽ですし、部内に穏やかな雰囲気を作ることができるかもしれませんが、今度は別の問題が起こります。

 例えば、部下の提案をすべて「OK」で受け入れてしまったら、何の指導もされなかった部下は改善や成長の機会を失い、人材が育たず組織としての生産性が下がります。また、努力や成果に関係なくどの部下にも平均的な評価をしていたら、頑張った部下ほどモチベーションが下がり、評価の公平性に不満を感じます。

 優秀な部下であるほどやりがいを失い、早期退職につながったりもするでしょう。指導しすぎればパワハラの疑いをかけられ、寛大すぎても組織の業績に問題が起こるのですから、今の時代、上司に求められる能力や負担は計りしれません。

 それでは、どうすればいいのか。まずはパワハラ問題ですが、ハラスメントと指導の違いを明確にして、部内で共有できるような環境の構築を目指すのがいいと思います。

 同僚や部下との信頼関係は大事です。いざというときに、問題を当事者同士だけで解決しようとすれば、最悪の結果につながりかねません。周囲と意思の疎通が取れない状況だけは作らないようにしてください。事実関係を周りの人にも理解してもらえることが、パワハラの誤解を受けないための第一歩です。