起業から5年で右肩上がり 全国へ広がる「クラフトメンマ」の勝算とは? 放置竹林問題を解決する美味しくて楽しい方法

AI要約

LOCAL BAMBOO(ローカルバンブー)は、放置竹林問題の解決を目指して延岡市でメンマづくりに取り組むベンチャー企業である。

江原太郎代表は、自社のリソースに固執せず協業を重視し、急成長を遂げている。

江原さんは故郷にUターンしてローカルバンブーを設立し、延岡メンマを開発し、地元の名産品として成功を収めている。

起業から5年で右肩上がり 全国へ広がる「クラフトメンマ」の勝算とは? 放置竹林問題を解決する美味しくて楽しい方法

「メンマづくり」を通して放置竹林問題の解決に取り組む宮崎県延岡市のベンチャー企業・LOCAL BAMBOO(ローカルバンブー)。

設立5年目にして確かな実績を上げ、メンマづくりの輪を全国各地に広げるなど存在感を示しています。急成長を可能にしたのは、自社のリソースに固執せず協業によってビジネスの輪を広げていく江原太郎代表の巧みな戦略でした。

【江原太郎(えばら・たろう) 】

宮崎県延岡市生まれ。東京農業大学を卒業後、都内最大級の屋上貸し菜園「都会の農園」で農園長を経験。

インドネシアの人材事業、環境省との有機農業の普及啓発事業、BBQ事業を経て2019年に宮崎に拠点を移し、“食べもの付き情報誌”の宮崎ひなた食べる通信をスタート。

2020年5月にLOCAL BAMBOO株式会社を設立。現在は延岡メンマのほか、複数の事業を手がける。

2019年末、30歳を目前に故郷の延岡市にUターンしてローカルバンブーを設立し、放置竹林問題の解決策として、それまで捨て置かれていた幼竹(ようちく)を使った「延岡メンマ」を開発した江原さん。

「メンマの概念を変える」ことをコンセプトに誕生した延岡メンマは、ANA国際線ファーストクラスの機内食に採用されるなど高い評価を受け、地元の名産品としても定着しつつあります。

起業から5年、右肩上がりで会社を成長させてきた江原さんですが、ここに至るまでには紆余曲折のキャリアを経てきました。

高校卒業後、上京して東京農業大学に進学。東京の農業ベンチャーに就職し、お台場のビルの屋上農園の農園長を務めました。

その後、グループ会社に転籍してインドネシアで人材関連の事業を経験。独立後には農業分野を専門としたフリーランスとして、有機農業の啓発事業などにも従事したこともあります。江原さんはこう振り返ります。

江原「自分の経験としては、東京にいた10年間がやっぱり大きいですね。いつかは故郷の畑や山を継がなければとは思っていたのですが、その前に、明確な目的を持ったうえで修業ができたのはよかった。

営業やマーケティングの知識が身についたこともそうですし、いろいろな人とめぐり合えました。

『延岡メンマ』の開発にはデザイナーやコピーライター、フードスタイリストなどがチームとしてかかわっていますが、ほとんどが東京時代に知り合った同世代の仲間たちです」