日銀・植田総裁の「次の一手」を大胆予想!それでも「円安バトル」は終わらない…次の日銀会合で浮かび上がる「2つの政策」に注目せよ!

AI要約

日本円の急激な安値が物価高を引き起こしている

日銀が長期国債の買入れ減額を検討しており、将来的に利上げを行う可能性もある

日銀は長期国債の買入れを減らす方針を明らかにし、今後1~2年での減額計画が発表される見通し

日銀・植田総裁の「次の一手」を大胆予想!それでも「円安バトル」は終わらない…次の日銀会合で浮かび上がる「2つの政策」に注目せよ!

止まらない物価高は、円安に起因している。

一時は1ドル162円にせまった円安は、政府の為替介入とアメリカFRBの利下げ観測から152円台まで円高が急伸した(7月25日13時現在)が、それでも歴史的水準の円安だ。

そうした中、注目の日銀政策決定会合が7月30日、31日に行われる。

焦点は2つある。

ひとつは量的金融緩和策として行われていた長期国債の買入れについて、今後、どのように減額していくのかだ。これは円高の地慣らしと言ってもいいだろう。また、もうひとつは言うまでもないが、日銀が再利上げに踏み切るのかどうかである。

国民としては、いずれも円安を是正するために迅速に行ってほしい措置だが、果たして日銀はこれに踏み切ることができるだろうか。

まずは、長期国債の買入れ額の減額から考えていこう。

長期国債の買入れ額の減額は、長期金利の上昇を促すことになり、利上げの代替策としての効果もある。

この減額措置が次の決定会合で注目されるのは、理由がある。

日銀は、金融政策を引き締め策(利上げに)転換した3月の決定会合で「当面は緩和的な環境が続く」とした上で、長期国債の買入れについては「長期金利が急激に上昇する場合には、毎月の買入れ予定額にかかわらず、機動的に、買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する」と発表している。つまり、当面は減額しないと言っていた。

ところが、6月13日、14日に行われた決定会合で、「7月の金融政策決定会合において、今後1~2年程度の減額計画を固める」ことを決定した。円安がさらに進み、政府から円安是正への協力を強く要請されたことから、長期国債の買入れ減額に踏み切る決断をしたとみられる。

よって、7月の決定会合では、3月に発表した文言についての修正が行われる可能性が高いのだ。

ただし、勘違いをしてはならない。6月の決定会合で決まったのは、「今後1~2年程度の減額計画」であり、日銀の保有する長期国債をゼロにするものではない。日銀の植田和男総裁も、「国債の発行残高の大まかに5割を日銀が保有している状態ですので、長期的に望ましい状態にまで1~2年程度で到達できるとは思っておりません」と述べている。

つまり、目先の1~2年程度の減額計画を作るのであって、その計画は“長期的に望ましい”残高にまで減額するものではないということだ。

さらに、おそらくは、「長期金利が急激に上昇する場合」には、減額計画とは切り離して、機動的に国債の買入れを行う方針を打ち出すことで、3月発表との齟齬をなくすだろう。