アメリカン航空が利益見通しを下方修正、今年2回目-戦略ミス響く

AI要約

米アメリカン航空グループは、7-9月(第3四半期)と通期の利益予想を下方修正した。2024年通期の調整後利益見通しを大幅に下方修正し、国内需要の見誤りや大口法人顧客の遠ざけ方針の余波が表面化している。

アメリカン航空は、今回が2回目の予想下方修正で、第2四半期も利益と売上高見通しを下方修正していた。経営陣は根本的な戦略転換に取り組んでおり、旅行代理店や法人顧客から前向きなフィードバックが寄せられていると伝えている。

第2四半期の調整後利益は市場予想を上回ったが、従業員向けのメッセージでアイソムCEOは、新戦略への転換には時間がかかるとしつつも、すでに肯定的な反応があると述べている。

アメリカン航空が利益見通しを下方修正、今年2回目-戦略ミス響く

(ブルームバーグ): 米アメリカン航空グループは、7-9月(第3四半期)と通期の利益予想を下方修正した。

25日の発表によれば、2024年通期の調整後利益は1株当たり70セント-1.30ドルの見通し。従来予想の最大3.25ドルを大きく下回る。第3四半期については収支とんとんを予想。アナリスト予想は1株当たり49セントの黒字だった。

アメリカン航空が見通しを引き下げるのは今年に入り2回目。今回の大幅な予想下方修正は、国内需要を巡る過度の楽観や、営業戦略を誤り一部の大口法人顧客を遠ざけたことの余波を浮き彫りにしている。

ロバート・アイソム最高経営責任者(CEO)は経済専門局CNBCのインタビューで、「私は数十人のCEOと話をし、当社に対する見方を率直に教えてくれるよう頼んだ」とした上で、「彼らからは、『われわれを支援しなかった。技術面で急ぎ過ぎ、われわれを置き去りにした』と言われたと述べ、満足する回答が得られなかったことを明らかにした。

アメリカン航空は5月、第2四半期の利益と売上高の見通しを下方修正。アイソムCEOは、国内需要を見誤ったことを認めていた。同社はまた、ヴァス・ラジャ最高商務責任者(CCO)を解任。同氏は、法人顧客対応の見直しを推進していた。

アメリカン航空は法人顧客とのビジネス再構築に取り組んでいるが、今年いっぱいはこれまでの戦略が収益を圧迫し続けると、同社は説明した。

アイソムCEOは25日、従業員宛てのメッセージで「こうした戦略転換には時間がかかるが、既に旅行代理店や法人顧客からは前向きなフィードバックが寄せられている」と説明した。

4-6月(第2四半期)の調整後利益は1株当たり1.09ドルと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平均(1.05ドル)を上回った。売上高は143億ドル(約2兆2000億円)で、市場予想と一致した。

アメリカン航空グループ予想通期実績:スナップショット