G20財務相会合、経済政策での合意を優先 地域紛争は協議回避

AI要約

G20財務相・中央銀行総裁会議は、経済政策のコンセンサス形成を優先し、ウクライナやガザの紛争には触れない方針となる見込み。

ブラジルが主催する会合では、気候変動や貧困への対策に焦点を当てつつ、富裕層への課税強化なども議論される予定。

地政学的な課題については外交官の協議で取り上げ、議長国ブラジルは議題のスコープを経済面に限定して進める方針。

G20財務相会合、経済政策での合意を優先 地域紛争は協議回避

Marcela Ayres

[ブラジリア 22日 ロイター] - ブラジルのリオデジャネイロで今週25、26日に開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、11月の米大統領選前に経済政策に関してコンセンサスを形成することを優先し、ウクライナやガザの紛争といった課題については協議を回避する見通しだ。

2月にサンパウロで開いたG20会合は、ウクライナとガザの紛争に関する表記を巡ってロシアと主要欧米諸国の間の溝が埋まらず、共同声明の採択が見送られた。今回の会合については議長国ブラジルの外交筋が先週、G20諸国が共同声明から紛争問題についての協議を外すことに合意していると明らかにした。

ブラジルが22日発表した議長声明によると、地政学的な課題については外交官による今後の協議で取り上げる。メンバーの一部からウクライナやガザの紛争が世界経済に与える影響は協議に値するとの声もあったが、G20はこうした課題について話し合うのに適さないと指摘する国もあったという。

ブラジルは協議がこう着状態に陥るのを避けるため、今回の会合では気候変動や貧困などの課題における経済面での協力に集中するアプローチを望んでいる。またブラジルの政府当局者2人によると、ブラジルは議長国として最優先課題に挙げている富裕層への課税強化についても今回の会合で支持が拡大することを期待している。