パナHD「発電するガラス」、令和8年に実用化へ 2年前倒し 太陽電池と建材一体化

AI要約

パナソニックホールディングス(HD)は太陽電池と建材を一体化した「発電するガラス」の実用化を前倒しして、令和8年に提供を開始すると発表した。

ペロブスカイト太陽電池を使用した「発電するガラス」は軽量で薄く、折り曲げやすい特徴を持ち、再生可能エネルギー普及の鍵として期待されている。

また、同社は人工多能性幹細胞(iPS細胞)を活用したがん治療のための細胞培養装置の開発も進めており、省スペースで低コストな製品を目指している。

パナHD「発電するガラス」、令和8年に実用化へ 2年前倒し 太陽電池と建材一体化

パナソニックホールディングス(HD)は25日、太陽電池と建材を一体化させた「発電するガラス」を、令和8年に実用化すると発表した。10年に量産開始としていた目標を前倒しする。まず試験的に企業に提供を開始する。

「発電するガラス」は、軽量で薄く、折り曲げやすいなどの特徴を持つ「ペロブスカイト太陽電池」を使用。ペロブスカイト太陽電池は従来の太陽電池と比べ設置場所の自由度が高く、再生可能エネルギー普及の鍵として期待されている。

同社はテレビなどのディスプレー製造で培ったインクジェット技術を応用し、ガラス建材に材料を塗布してペロブスカイト太陽電池を形成する工法などの開発を進めてきた。通常のガラス建材と同じように使用できるため、ビルの壁面を利用した発電が容易になるという。

現在、実用サイズとなる1メートル×1・8メートルの製品を製造する試作ラインを大阪府守口市の研究開発拠点で作っており、早期の量産開始を目指す。同社の小川立夫・最高技術責任者(CTO)は「都市部でのエネルギー創出の力が飛躍的に向上するので、再エネ普及に貢献できる」と話した。

また、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を活用したがん治療で、患者の体質や病気の特徴に合わせた治療の実現へ向け、細胞培養装置の開発を進めていることも明らかにした。省スペース、低コストで地域のクリニックにも導入可能な製品を目指す。