中小8割、人件費転嫁できず 愛知県商工会連合会調べ 6割が賃上げ実施も

AI要約

愛知県商工会連合会が実施したアンケート調査の結果を発表。62%の企業が正社員の賃上げを実施するも、83%が人件費の上昇分を価格転嫁できていないと回答。

賃上げ額の平均は「千円~3千円未満」が最多。賃上げ原資は半数近くが不足しており、83社が人材確保を理由に挙げた。

全体の97%が原材料高の影響を認識しつつも、44%の企業がコスト上昇分の価格転嫁に苦戦。調査は県下57商工会の経営指導員が実施。

 愛知県商工会連合会は23日、会員である中小・小規模事業者245社を対象に実施した「2024年賃金に関するアンケート調査」の結果を発表した。正社員の賃上げを実施すると答えた企業は全体の62%と半数を超えたものの、人件費の上昇分を価格転嫁できていない企業割合は83%に上った。

 平均賃上げ額は「千円~3千円未満」が全体の24%で最多。次いで「3千円~5千円未満」の23%。賃上げ原資については「ほとんどない」と「あまりない」の合計が73社、「ある程度ある」が70社、「十分にある」が10社で、半数近くは原資がない状態で賃上げを決めた。賃上げ理由として83社が「人材確保」を挙げた。

 原材料高などが業績に与える影響を全体の97%が認識していると答えた一方、コスト上昇分の価格転嫁については「できていない」企業が44%で最多を占めた。価格転嫁が「原材料価格はできている」は29%、「原材料価格、光熱費はできている」は10%あったものの、「労務費も含めてできている」は17%にとどまった。

 調査は4月16日~5月24日に実施。県下57商工会の経営指導員が会員企業に聞き取りを行った。