「書店減れば国力弱まる」閉店相次ぐ中、斎藤経産相が都内で視察 振興へ今夏に課題整理

AI要約

斎藤健経済産業相は、今夏をめどに書店振興に向けた課題整理を行う考えを示し、全国で書店閉店が相次ぐ中、政府支援策を検討すると明かした。

経済産業省は、書店振興に取り組む専門チームを設置し、書店経営課題を共有し支援策を検討しており、活発な意見交換を行っている。

読書離れやネット販売の普及により書店の減少が深刻化しており、斎藤氏らはカフェ併設やデジタル技術を活用するなど、書店の新たなビジネスモデルに取り組んでいる。

「書店減れば国力弱まる」閉店相次ぐ中、斎藤経産相が都内で視察 振興へ今夏に課題整理

斎藤健経済産業相は23日、都内で書店の視察や書店経営者との意見交換を行い、「今夏をめどに(書店振興に向けた)課題を整理する」考えを明かした。ネット通販の普及などによって全国で書店の閉店が相次ぐ中、書店の経営課題などを取りまとめ、政府としての支援策を検討する。

代官山蔦屋書店(東京都渋谷区)と王様書房(同目黒区)を視察し、小泉進次郎元環境相も参加した。

意見交換の場では、蔦屋書店を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの高橋誉則社長が「書店のビジネス構造は長年変わっていない」とした上で「仕入れ方や売り方を変える機会が訪れている」と指摘。一方、斎藤氏は「書店が減れば、国力が弱まる。(書店の振興を)一歩でも二歩でも前に進めたい」と述べた。

経済産業省は3月、書店の振興に省内横断で取り組む大臣直轄の専門チームを設置。斎藤氏は書店の経営者らとの車座対話や意見交換に精力的に取り組んでいる。

カフェの併設やイベント開催による集客や、デジタル技術を使った業務改善など、書店が成果を上げている事例を収集。全国の書店に周知し、経営に役立ててもらう考えだ。また、経営課題も共有し、補助金など今後の支援策を検討する。

読書離れによる出版物の不振やネット販売の普及などを受け、書店の減少は深刻だ。日本出版インフラセンターによると、書店の総店舗数は令和5年度に1万918店と10年前と比べて約3割減った。出版文化産業振興財団の調べでは、全国の市町村のうち、書店がない自治体は約4分の1に上るという。