韓国医療空白長期化…小児病院、大型病院の救急室になる(2)

AI要約

大型病院の診療機能が早期に回復するのは難しく、小児科医師の不足が深刻化している。

子どもを持つ保護者たちが小児病院へのアクセスに不安を覚えており、医療体系の不安定さが露呈している。

政府は地域協力体系構築モデル事業を推進し、小児診療の空白緩和に取り組んでいる。

韓国医療空白長期化…小児病院、大型病院の救急室になる(2)

さらに大きな問題は大型病院の診療機能が早期に回復するのは難しい点だ。医療空白事態の終わりが見えないばかりか、小児科忌避現象はますます顕著になっているためだ。低出生による診療需要減少の展望、医療訴訟負担などで小児科を専攻しようとする若い医師は徐々に減少している。今年上半期レジデント募集で小児科支援率は26%(定員205人・志願53人)にとどまった。これさえもこのうちの大多数は医政葛藤によって病院を離れた。事態が解決されても小児科のような必修科専攻医は簡単に復帰しないという展望が支配的だ。

人材・装備はどれも不十分だが救急・重症患者が増える小児病院の事情はさらに厳しい。イ・ホンジュン副会長は「小児科医師供給そのものが少ないため、小児病院は新規医師を採用するのも難しい」としながら「(救急室のように)夜間診療をしたくても医師がいないくてできない場合も多い」と話した。

子どもを育てる保護者も不安な医療体系を肌で感じている。9日、京畿道(キョンギド)のある小児病院で会った25カ月の赤ちゃんの母親イムさん(35)は「子どもが朝方に熱を出したが『まだ小さすぎる』などの理由で受け入れてくれる病院がなく、うわさをたよりに探してようやく1時間以上離れた病院に行った記憶がある」とし「小児病院があってせめてもの救いだったが、ここでも患者を受け入れが難しくなれば緊急のときに行くべきところがなくて眼の前が真っ暗だ」と話した。孫を病院に連れてきたキムさん(61)も「小児病院はいつも待機が多くて数時間待つ」としながらも「ここがないと考えれば本当に一大事だ」と話した。

政府は小児診療の空白緩和対策として「地域協力体系構築モデル事業」を推進している。同じ地域内の小児科医院-小児病院-上級総合病院などが互いに迅速に協力するネットワークを構築し、ここに年間約2億ウォンの支援金を出す事業だ。協力体系を入った医院・病院は医療スタッフ間の直通連絡網を構築することになる。小児医療資源が限定された状況で地域内の疎通網をきめ細かく構成し、「救急室たらい回し」のような診療空白を最小化しようとの趣旨だ。保健福祉部関係者は「最近モデル事業参加公募を締め切った。審査手続きをまもなく進める予定」と説明した。

小児病院協会は救急・重症の小児患者の移送に関連して消防庁との対応体系用意なども求めている。これに関連して保健福祉部関係者は「地域別広域救急医療状況室を通した転院支援など方案がありえるが、追加検討が必要だ」と話した。