元証券マンが見た「富裕層」の共通点2つ。意外に庶民的?資産1億円超の世帯は約2.7%に

AI要約

2024年2月22日、日経平均は史上最高値を更新し、株高を実感する投資家も多い。

日本には純金融資産1億円以上の富裕層が148万5000世帯存在し、増加傾向にある。

富裕層の増加には、緩和的な金融政策や低金利の影響がある。

元証券マンが見た「富裕層」の共通点2つ。意外に庶民的?資産1億円超の世帯は約2.7%に

2024年2月22日、日経平均は1989年の大納会でつけた史上最高値の3万8915円を更新しました。その後は7月に4万円台に乗せることもあり、株高を実感する投資家も多いでしょう。

株の取引で資産を大きく増やした方はいます。億り人、富裕層などと呼ばれることもある「お金持ち」は雲の上の存在に思うかもしれません。

身近にそのような人がいない場合、さまざまなイメージが先行することもありますね。

「気前よく支払う」「意外にケチ」など正反対のイメージが持たれることもありますが、実際はどうなのでしょうか。

今の日本に資産1億円超の「富裕層」がどれくらいいるのかも含め、元証券マンの筆者が見てきた「富裕層の特徴」について確認していきたいと思います。

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出所:

野村総合研究所のニュースリリースによると、2021年調査時点において、日本に「純金融資産1億円以上の富裕層」が148万5000世帯存在していることがわかりました。

割合にして約2.7%です。

●階層別:純金融資産保有額別にみた世帯数

 ・超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円

 ・富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円

 ・準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円

 ・アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円

 ・マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

2005年以来の推移を追うと、新たに62万世帯が富裕層に仲間入りしています。

●「富裕層」と「超富裕層」世帯が保有する資産総額の推移

 ・2015年:272兆円

 ・2017年:299兆円

 ・2019年:333兆円

 ・2021年:364兆円

富裕層が増加する背景としては、複数の要因が関与していると考えられます。

緩和傾向だった日本の金融政策と低金利の影響もあり、一部の投資家にとっては大きな利益の獲得に繋がったのでしょう。

株式市場も、全体的に上昇傾向がみられています。

「新しく財産を築いた」というよりは、これまで純富裕層世帯に属していた方などが、こうした情勢の中で富裕層に繰り上がったケースが多いかもしれません。

参考までに、株式会社博報堂「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」レポート」によると、世帯年収1500万円以上の割合は全体の2.4%でした。

年収ではなく資産で判定されるのが「富裕層」ですので、実際には親からの相続などの影響が多いものです。しかし、着実に収入を増やすことで資産形成に成功している方もいます。

次章にて、筆者が思う「富裕層の共通点」を解説していきます。