ムーディーズ、トルコ格付け「B1」に引き上げ 金融引き締めを評価

AI要約

トルコの格付けがムーディーズによって引き上げられ、「B3」から「B1」になった。政府の統治体制の改善と金融政策の引き締めが評価された。

シムシェキ財務相と中央銀行が金融政策を引き締め、インフレ率が下がった。マネーロンダリングなどの対策も進められている。

経常収支赤字の縮小や中銀の財務状況の改善により、トルコの対外収支の脆弱性が低下し、政策姿勢が今後も引き締めを続ける見通し。

[19日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは19日、トルコの格付けを「B3」から「B1」に引き上げた。政府の統治体制が改善し、金融政策が引き締め方向に転じたことを評価した。

エルドアン大統領の下、シムシェキ財務相と中央銀行は昨年からインフレ退治のために金融・財政政策を引き締め方向に転換してきた。5月に年率75%だったインフレ率は6月には72%に下がり、ピークは過ぎたとみられている。

昨年シムシェキ氏が就任して以来、中央銀行は主要政策金利を8.5%から50%に引き上げた。

また、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金対策を監視する国際組織、金融活動作業部会(FATF)は6月、トルコを「グレーリスト(監視強化対象国・地域)」から除外した。

ムーディーズは、経常収支赤字が縮小し、中銀の財務状況が改善したことで、トルコの対外収支の脆弱性は大幅に低下したと指摘。「以前は本格的な対外収支危機が起こるリスクが高まり、格付けが連続で下がってB3になっていたが、そうしたリスクは消え去った」と説明した。

当局が引き締め的な政策姿勢を今後も維持するとの見方から、ムーディーズはトルコの見通しを「ポジティブ(楽観的)」とした。