〔東京外為〕ドル、157円台前半=米金利上昇などで上伸(19日午後5時)

AI要約

19日の東京外国為替市場では、米長期金利の上昇や日銀の利上げ観測後退などにより、ドルは円に対して大幅に上昇し、157円台前半まで達した。

ドルは、日中は小幅なレンジで推移したが、河野デジタル相の発言により日銀の利上げ観測が後退し、再び157円80銭台まで上昇したが、ロンドンでのシステム障害を受けて円買いが入り、急落した。

市場ではトランプ氏の大統領選勝利によるインフレ圧力に対する懸念や河野デジタル相の発言などが影響し、ドル円相場は方向感が定まらない展開となった。

 19日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利の上昇や日銀の利上げ観測後退などを受けて、1ドル=157円台前半に上昇した。午後5時現在は、157円31~32銭と前日(午後5時、156円25~25銭)比1円06銭の大幅ドル高・円安。

 早朝は米長期金利がやや低下したことを受け、157円近辺まで下落。その後は実需買いに加え、時間外取引での米長期金利が上昇したことで、157円50銭台に水準を切り上げた。正午に向けては伸び悩み、157円40~50銭台の小幅なレンジで推移した。

 午後は、河野デジタル相の「今、日銀に対して利上げを直接求めているわけではない」との発言を受けて日銀の利上げ観測が後退する中、ドルを買い戻す動きが強まり、157円80銭台まで浮上。ただ、その後は「ロンドンでのシステム障害を受けたリスク回避の円買いが入っている」(国内証券)とされ、156円90銭台に急落。売り一巡後は買い戻しもみられ、157円台前半を中心に方向感が定まらない展開になった。

 前日の米国時間は、トランプ氏が11月の大統領選に勝利すればインフレ圧力が強まるとの見方が広がり、長期金利が上昇。ドル買いが優勢となり、157円40銭前後まで値を上げた。

 東京時間は、河野デジタル相の発言に対して「海外勢が反応した」(先の国内証券)とみられ、ドル買いが強まる場面があった。しかし、市場では「介入警戒感などが意識された」(国内銀行)との声が聞かれ、157円台後半では上値が重かった。

 ユーロは対円で上昇、対ドルで下落。午後5時現在、1ユーロ=171円27~28銭(前日午後5時、170円79~80銭)、対ドルでは1.0887~0887ドル(同1.0930~0931ドル)。