〔ロンドン外為〕円、156円台後半(17日正午)

AI要約

17日午前のロンドン外国為替市場で、日銀による利上げを意識した円買い・ドル売りが加速し、円相場が急騰した。現在は156円69~79銭となっており、前日比1円84銭の円高・ドル安。

河野太郎デジタル相が日銀に利上げを求めたことで円買い・ドル売りが急伸し、ドルの買い戻しやトランプ前大統領の発言により変動があった。

ユーロやポンドなど他通貨に比べても円高基調が続いており、一部では日本政府・日銀による為替介入を疑う声もあるが、相場は上昇局面にあるとの見方もある。

 【ロンドン時事】17日午前のロンドン外国為替市場の円相場は、日銀による利上げを意識した円買い・ドル売りが加速し、一時1ドル=156円10銭台に急騰した。6月12日以来5週間ぶりの円高水準。正午現在は156円69~79銭と、前日午後4時(158円53~63銭)比1円84銭の円高・ドル安。

 円は序盤、河野太郎デジタル相が円安是正のため、日銀に利上げを求めたとする米ブルームバーグ通信の報道をきっかけに、円買い・ドル売りが急伸。その後、同メディアによるトランプ前大統領のドル高けん制発言がドル売りを呼び、円は156円台前半に一段加速した。ただ、ドルの買い戻しが入るなど、上げ幅は抑えられた。

 一部で日本政府・日銀による為替介入を疑う声も聞かれる中、邦銀筋は「ドルは対ポンドやユーロでも下げており、ドル売り要因が大きい」と指摘。米金利高を嫌うトランプ前大統領の返り咲きを想定した取引となり、現時点では「円相場は上昇局面にあるとみている」(同)と話した。ただ、別の邦銀筋は「米国の金利高、インフレ高は変わらず、長期的には円安基調だ」と分析した。

 対ユーロは1ユーロ=171円28~38銭(前日午後4時は172円46~56銭)と、1円18銭の円高・ユーロ安。ユーロの対ドル相場は1ユーロ=1.0925~0935ドル(同1.0873~0883ドル)。

 ポンドは1ポンド=1.3028~3038ドル(同1.2942~2952ドル)と、2023年7月以来約1年ぶりの高値水準。スイス・フランは1ドル=0.8876~8886フラン(同0.8955~8965フラン)。