米メーシーズが投資2社と買収交渉打ち切り、敵対的買収は見込み薄

AI要約

米百貨店大手メーシーズは6月15日、不動産投資会社などからの買収提案と株式非公開化の交渉を打ち切ったことを発表した。株価は15%下落した。

投資ファンド2社は価値提案が不十分であり、資金調達方法も不透明だったため、メーシーズは交渉を打ち切った。関係筋によると、実行可能な提案がないという。

買収提案をしていた不動産投資会社と資産運用会社は、株価を引き上げながらも合意に至らず、メーシーズは新しい経営戦略を検討しているという。要諦は依然不透明だ。

米メーシーズが投資2社と買収交渉打ち切り、敵対的買収は見込み薄

Ananya Mariam Rajesh Abigail Summerville

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 経営再建中の米百貨店大手メーシーズは15日、不動産投資会社などから受けていた計68億6000万ドルの買収提案と株式非公開化の交渉を打ち切ったと発表した。これを受けてメーシーズの株価は15%値を下げた。

メーシーズによると、投資ファンド2社は「説得力のある価値を提案できていない」上、買収に投じる資金の調達方法が不透明だったという。

関係筋によると、買収に先立って事業や経営実態を把握するデューデリジェンスが4カ月実施されたものの、その間のやり取りで「実行可能な提案がなかった」とされた。

買収を持ちかけていたのは、メーシーズ株4.4%を保有する不動産投資会社アークハウス・マネジメントに加え、資産運用会社ブリゲード・キャピタル・マネジメント。両社はロイターのコメント要請に直ちに応じなかった。

両社は昨年12月、メーシーズの株式を1株当たり21ドルで取得する案を示し、その後24ドルちょうどに引き上げた。さらに0.8ドル上乗せして24.8ドルを提示していた。

モーニングスターのアナリスト、デービッド・スオーツ氏は「メーシーズは上乗せ額を数ドルと期待していたようだ」と話した。投資2社が敵対的買収に転じるかどうかを巡っては、メーシーズが既に独自に新しい経営戦略を検討しているため、買収提案の金額は膨らみ、成功する保証もないという。