投資で地域に活力を 「北海道リート」が始動

AI要約

北海道内の不動産投資信託「北海道リート」について特集。道外企業が所有するビルから流れ出る収益を防ぎ、地域経済の活性化を目指す。

北海道アセットマネジメントが設立し、道内大手企業が出資。現在6物件取得し資産規模拡大を目指す。

投資家への配当利回りは4パーセント台を目指し、エネルギー関連施設の取得にも意欲。物件の価値を見極めることが重要。

投資で地域に活力を 「北海道リート」が始動

今回のけいナビは、北海道内の物件を主な対象とした地域特化型の不動産投資信託「北海道リート」について特集する。

リートとは、投資家からの出資を元手に商業施設やオフィスビルなどを取得し、そこから得られる賃料収入や売却益を投資家への配当に充てる仕組み。この仕組みを活用したいわば「北海道限定」のリートが、ことし2月に運用を開始した北海道リートだ。

北海道リートを運用するのは、2022年7月に設立された北海道アセットマネジメント。同社の浜野恭義社長に立ち上げの理由を聞いてみると、そこには意外な現実があった。

番組MCの杉村太蔵さんが今回訪れた、JR札幌駅から大通公園へと続く札幌駅前通沿いには数多くのオフィスビルが立ち並ぶが、実はこのうちの半分の所有者は道外企業。最近建て替えや再開発が行われた物件に限ってみると、8割以上が道外企業の所有だという。

浜野社長は「ビルの所有者が道外企業だと、そこから得られる収益は道外に出ていってしまう。非常にもったいない」と話す。仮に北海道リートが投資家から資金を集めてこうしたビルを取得すれば、道外に収益が流れ出るのを防ぐことができ地域経済の活性化につながる。こうしたことがリート設立の背景にある。

ところで、北海道アセットマネジメントとはどのような会社なのか。調べてみるとニトリホールディングスやアインホールディングス、石屋製菓、伊藤組土建といった道内大手を中心とする20社が出資者として名を連ねていることが分かった。

不動産会社の藤井ビル(札幌)も出資した20社のうちの一つ。古屋賢司相談役に出資の狙いを聞いてみると、「多くの優良な物件が道外企業の手に渡ってしまっている。この流れを何とかしないといけない」という答えが返ってきた。

北海道アセットマネジメントは現在、札幌を中心に6物件を取得し資産規模は約80億円。これを3年後に250億円、10年後には1000億円規模にすることを目指している。

投資家への配当利回りは、4パーセント台とする方針。この目標を達成するためには、長期間に渡って安定的に収益を上げられる物件をいかに取得していくかが重要になってくる。浜野社長は「物件の価値をきちんと見極めて、高値で買わないようにすることが大事」と説明。風力発電や太陽光発電といったエネルギー関連施設の取得にも意欲を見せた。