父から継いだ社長を2年半で解任された苦い記憶 「経営より家督?」中小企業の「アトツギ問題」を支援するコンサル社長

AI要約

同族企業の事業承継は、継ぐのが当たり前というイメージがあるが、実際は複雑で難しいものです。

ランナーズ株式会社はアトツギ経営者向けのコンサルティングを行い、個別の承継プランを提供しています。

関根壮至代表取締役は人間関係の重要性を強調し、成功には仕事の能力だけでなく家族や役員たちとの関係も大切だと述べています。

父から継いだ社長を2年半で解任された苦い記憶 「経営より家督?」中小企業の「アトツギ問題」を支援するコンサル社長

同族企業の事業承継は、「継ぐのが当たり前」というイメージをもたれがちだが、実は簡単ではない。親族ならではの複雑な感情が入ったり、企業体質の変革が難しかったり。「アトツギ経営者」のためのコンサルティング会社「ランナーズ」の関根壮至代表取締役も、父の会社を承継して「痛い目」にあった過去がある。現在は、苦い経験を生かして、同族経営にありがちなトラブルを未然に防ぎ、円滑な事業承継を支援している。関根氏が、同族企業の事業承継で不可避である「家」の問題を語った。

――ランナーズ株式会社の業務内容を教えてください。

「アトツギ経営者」のためのコンサルティングです。

創業者の子どもの場合、ある日突然、経営を任せられ、実力がないまま経営をはじめるケースがよくあります。

そこで、いずれ後継者になる人や、会社を継いだばかりの経営者を対象に、経営スキルの補強や、直面している課題解決を支援しています。

最終的に中期経営計画の策定までを6カ月で指導する「後継者育成トレーニング」を用意しています。

その中で「勘」ではなくデータや指標に基づく経営の仕組みを導入したりもします。

――後継者教育のプログラムは世の中に数多くありますが、ランナーズの特徴とは?

最大の特徴は、個別の承継事案に寄り添う伴走型の指導スタイルです。

事業承継と一言でいっても、課題は企業ごとに異なります。

そこで、個々の事情や状況に応じた承継プランを策定し、必要なタイミングでアドバイスをリアルタイムで行う「マンツーマン」型の指導・育成が特徴です。

もうひとつは、理論や知識だけを伝えるのではなく、私自身が企業経営の経験と実績をもっていることから、経験と実践にもとづいた指導ができることです。

――中小企業の事業承継で、関根さんがもっとも重視するポイントとは?

たとえば、創業家の事業承継の場合、後継者の仕事の能力だけでなく、家族関係も含めた人間関係を円滑にする力が問われます。

ところが、後継者は現社長や社内の人たちに認められようと、実績を作ることにとらわれがちで、誰にもたよらず一人で頑張ってしまう傾向があります。

ですが、実際は現社長である親や家族、長年会社を支えてきた役員たちとの関係を良好に保つことが、円滑な承継につながるケースが多いのです。

反対に、仕事の能力が高くても人間関係をないがしろにしていると、うまくいきません。

それは、私が身をもって経験したことです。