NHKドラマ「燕は戻ってこない」主人公・リキの奮闘から紐解く「現代女性の貧困問題」

AI要約

2024年7月2日に最終回が放送されたNHKドラマ10「燕は戻ってこない」の主人公・リキ(石橋静河)は29歳の派遣社員。病院の受付事務として働く彼女の手取りは月額14万円前後。コンビニのイートインがささやかな贅沢という日々を送っている様子が放映されていました。

現代の日本において「自分も手取り14万円」「手取り14万円ってなんのために働いているんだろう?」など、暮らしぶりを自分に重ねる人も少なくないようです。

国税庁の調査結果などから、非正規雇用の割合や手取り14万円前後の人の割合について解説している。

NHKドラマ「燕は戻ってこない」主人公・リキの奮闘から紐解く「現代女性の貧困問題」

2024年7月2日に最終回が放送されたNHKドラマ10「燕は戻ってこない」の主人公・リキ(石橋静河)は29歳の派遣社員。

病院の受付事務として働く彼女の手取りは月額14万円前後。コンビニのイートインがささやかな贅沢という日々を送っている様子が放映されていました。

現代の日本において「自分も手取り14万円」「手取り14万円ってなんのために働いているんだろう?」など、暮らしぶりを自分に重ねる人も少なくないようです。

本記事では、非正規雇用の割合や手取り14万円前後の人の割合を見ていきましょう。

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在住エリアや扶養者の有無などによって少々異なりますが、手取り14万円の月収は17~18万円前後、額面の年収は約210万円(手取り年収は約170万円)になります。

国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」における「給与階級別給与所得者数・構成割合」から、年収200万円前後の人はどのくらいいるのか見てみましょう。

●給与階級別給与所得者数・構成割合(男性)

 ・100万円超~200万円以下:6.2%

 ・200万円超~300万円以下:9.8%

●給与階級別給与所得者数・構成割合(女性)

 ・100万円超~200万円以下:21.5%

 ・200万円超~300万円以下:20.0%

男性の場合、年収200万円台の人は全体の9.8%、年収200万台円以下の人は16%でした。

一方、女性は年収200万円台の人は全体の21.5%、年収200万円台以下の人は全体の41.5%を占めています。

女性の中には既婚者も含まれます。子どものいる女性は半日以下の勤務時間で働きたいと考えていたり、給与よりも通いやすさを重視したりするため、望んで少ない年収の女性も多く含まれます。

とはいえ、未婚であるものの十分な年収を得られていない女性がいることも忘れてはいけません。

次の章では、非正規雇用で働く女性の現状についての調査結果から、女性の貧困問題について深堀りしていきましょう。

●非正規雇用で働くおひとりさまは17%…男女差は? 

連合総研は「非正規で雇用される労働者の働き方・意識に関するアンケート調査」(調査対象者:非正規雇用で働く2500人(組合員 500人、非組合員 2000人)を実施しました。

同調査では、非正規で雇用される労働者の生計を同一している家族についての調査も行っています。

統計を参照すると、生計を同一にしている家族が「本人以外にいない」と回答した人は全体の17%でした。

しかし、男女で状況が異なるようです。

非正規雇用の男性については、49歳までは親と生計を同一にしている人が半数ほど。本人のみの収入で生計を立てている人は、59歳までをみると3割程度です。

一方、非正規雇用の女性の現状をみると、30歳以上で配偶者がいる人は半数を超えていることがわかります。

さらに、40~60歳以上で配偶者がいる非正規雇用の女性は7割を超えています。ここから、配偶者の収入をメインに生計を立てている人が多いと推測できるでしょう。

とはいえ、自分の収入だけで生計を立てている女性は30代で8.9%、40代については11%と10人に1人以上います。

また、親と生計を同一にしている女性も一定の割合いることがわかりますね。

なお、同調査では7割が「年収200万円未満」と回答。調査対象となった少なくない人たちが、経済的に厳しい状況で暮らしている様子がうかがえます。

次の章では、おひとりさま女性の経済的なゆとりについてみていきましょう。