学校の「講師」不足が深刻 産休などカバーに必要な人材 教壇を離れた「ペーパーティーチャー」掘り起しで解決できるか

AI要約

全国的に深刻化している「教員不足」について取材を行い、大阪府内の状況を紹介。

非正規の教員である「講師」の重要性や困難さ、代替措置についても言及。

教員不足の要因や取り組まれている対策についても言及。

学校の「講師」不足が深刻 産休などカバーに必要な人材 教壇を離れた「ペーパーティーチャー」掘り起しで解決できるか

全国的に深刻化している「教員不足」。育休などを取った教員の穴埋めができず、大阪では160人あまりが不足している。解決策はあるのか?人材掘り起こしの現場を取材した。

大阪府河内長野市の天野小学校。 小学4年生たちに算数を教えている、山本美由紀先生(40)は、育休を取った教員の代わりとして赴任してきた「講師」だ。

「講師」とは非正規の教員のことで、正規雇用の「教諭」に欠員が出た場合に派遣される。

山本さんは、もともとは専業主婦だったが、昔からの夢だった先生になりたいと一念発起。3年前に教員免許を取得したばかりだ。

山本美由紀先生:子供たちからしたら、きょう初めての先生も10年目の先生も同じ先生なので、子供たちの1時間、すごく貴重な1時間なので。がむしゃらに必死に、今目の前にいる子供たちだけのことを考えて、ちょっとずつ改善とみたいな感じで、毎日の繰り返しです。

小学4年生の児童:優しくて、わかりやすくて、丁寧に教えてくれる先生です。

この日は午前中の1時間目から4時間目まで休む暇なくフル稼働。学校にとって欠かせない「戦力」だ。

天野小学校 宮城正樹校長:子育ての経験をされているので、本当に上手に子供たちと接してくれているなと思います。(山本先生のおかげで)1人1人が適正な仕事量で仕事できていますので、本当にありがたく思っています」。

学校現場を支えるこの「講師」が今、人材難に直面している。

「教員不足」は、育休などの欠員を埋める非正規の「講師」が見つからないことで生じている。

大阪府内の公立学校では(大阪市・堺市・豊能地区除く)6月時点で、164人が不足していて、2023年の同じ時点より4割ほど増えている。近年、産休や育休をとる人や、精神の不調を訴えて病気休職をとる人が増えたことが要因と考えられている。

大阪府教育庁教職員人事課 岸野行男課長:我々としては非常に危機感を持ってここは受け止めているところです。学校現場の方は代替がいなければ現有戦力といいますか、配置されている元々の先生方で、チーム学校という形。かなり先生方にご負担かけているところだという認識をしております。

代わりが見つからない場合は、こんな苦肉の策も取られているという。

大阪府内の中学校の校長:病気休職した家庭科の先生の代わりが見つからず、分野の近い技術の先生に臨時免許を発行し、1カ月ほど家庭科の授業をやってもらった。