クルマが進化するとタイヤも変わる!? ミシュランが考える「サステナブル」って何? 乗り比べてわかったタイヤの方向性とは

AI要約

ミシュランのタイヤづくりの思想を学ぶイベント、サステナブル試乗会2024が開催されました。

新車販売の傾向や環境の変化からタイヤの性能要求が高まっており、ミシュランはサステナブル性能を追求しています。

ミシュランのタイヤは性能向上とサステナブル材料の使用に注力する一方、操りやすさも重視しています。

ミシュランが目指すサステナブル性能の方向性を具体的な項目やトータルパフォーマンスの引き上げによって示すことが重要です。

タイヤの性能を円形の範囲内で特化せず、全体的に広げることが求められています。

サステナブル材料や新技術の導入によるトレッド・部材のイノベーションが今後のミシュランのタイヤ開発において重要となるでしょう。

メルセデス・ベンツ「A180」とレクサス「LBX」の試乗を通じて、ミシュランのタイヤは高い性能と操りやすさを兼ね備えていることが確認されました。

クルマが進化するとタイヤも変わる!? ミシュランが考える「サステナブル」って何? 乗り比べてわかったタイヤの方向性とは

 ミシュランのタイヤづくりの思想を学ぶイベント、サステナブル試乗会2024が開催されました。

 これは代表的なミシュランの乗用車用タイヤを4種類、5台のテストカーを使ってクローズドのテストコースで試乗し、ミシュランが目指すサステナブルを体験するものです。

 新車販売されるクルマの割合は、2022年にはHEV、PHEV、BEVなどの電動車が52%を占めるまでに増加しています。

 ICE(内燃機関)だけのクルマは減少傾向にありますが、電動車の中で電気モーターと一緒にICEがまだまだ多く使われています。そうした車両の進化や構造変化により、タイヤの果たす役割と範囲も変わっています。

 こうした環境の変化から、さらなるタイヤ性能の高水準化と汎用性向上の要求が増えていると考えられます。つまりタイヤに求められる性能は、安全性、経済性、居住性だけでなくCO2削減を筆頭に環境性も考えなくてはいけない時代になりました。

 ミシュランの目指すサステナブル性能の方向性をレーダーチャート図で見るとわかりやすいです。

「ドライグリップ」、「ウエットグリップ」、「ハンドリング」、「乗り心地の良さ」、「静粛性」、「摩耗しにくさ」、「使い始めの性能が長持ちすること」、「低燃費性能」といった項目が標準タイヤでは円形の性能だとすると、これまでは低燃費タイヤ、スポーツタイヤ、ラグジュアリータイヤなどはどこかに特化していても許されていましたが、これからは円全体を大きくして特化するところはそこからさらに広げていくことが大事になります。

これからの技術としてはサステナブル材料を用い、トータルパフォーマンスの引き上げを行い、トレッド・部材のさらなるイノベーションを目指さなければなりません。

ミシュランの良さはこうした性能目標があっても、原点であるドライバーが操りやすいタイヤという味付けの面では後退しないことが条件になっています。グリップ限界付近での穏やかな変化、直進付近のハンドルの手応えや微小舵での反応も素直で扱いやすいタイヤなので安心して選ぶことができます。

 まず試乗したのは、e・プライマシーを履いたメルセデス・ベンツ「A180」とコンパクトSUVのレクサス「LBX」です。タイヤサイズはA180が225/45ZR18 95YXL、LBXが225/55R18 98Hです。