「完走できないとわかっていた」メルセデスF1、ラッセルのトラブルを第1スティントから監視。予防措置でリタイアを決断

AI要約

メルセデスF1は、ジョージ・ラッセルがイギリスGPでリタイアする際、予防的に行ったことを明かした。

ウォーターシステムの問題が発生し、パワーユニットの保護のためリタイアを決めた。

レースを完走できず、4位が最低でも可能だったと考えられている。

「完走できないとわかっていた」メルセデスF1、ラッセルのトラブルを第1スティントから監視。予防措置でリタイアを決断

 メルセデスF1は、先週末のF1第12戦イギリスGPでのジョージ・ラッセルのリタイアは“予防的”なもので、ペナルティの可能性を回避するために行われたと述べている。

 ラッセルはイギリスGPでポールポジションからレースをリードし、17周にわたって首位を守ったが、まずチームメイトのルイス・ハミルトンに、続いてマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリに追い抜かれた。しかし、ミディアムタイヤからインターミディエイトタイヤに交換してから6周後、ラッセルはメルセデスのピットウォールからピットに戻るよう呼び出され、マシンをリタイアさせるよう指示された。

 ラッセルにとってホームレースでの辛い瞬間だったが、メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンの説明によると、早い段階でW15のウォーターシステムの問題が検知されたため、チームはリタイアを予見していたという。

「残念ながら、レースの比較的早い段階で問題があることが分かっていたので、第1スティントから問題を監視していた」と、ショブリンはYouTubeに投稿されたメルセデスのレース報告動画のなかで語った。

「これが致命的になるとはわかっていなかったが、すべてはウォーターシステムの漏れと関連しており、それが圧力の変動を引き起こしていた。最終的にマシンを止めたのは、パワーユニットを保護するためだった」

「だから我々はレースを完走できないことがわかっていた。絶対に避けたいのは、レースを終えてパワーユニットを壊してしまうことだ。そうなると、おそらく1年の後半にペナルティを受けることになるだろう。これは予防策だったので、チェッカーフラッグまでたどり着くことは不可能だった」

 ラッセルはシルバーストンの変わっていくコンディションのなかで、表彰台争いに残るのに苦戦していたが、レース序盤のドライコンディションでは力強いペースを見せていたため、全員がスリックタイヤに戻ったら、彼がふたたび侮れない勢力になるだろうと多くの人々が考えていた。ショブリンは、ラッセルが全走行距離を完走した場合、どの順位でフィニッシュしていたか正確に予測することまではしなかったが、少なくとも4位にはつけただろうと考えている。

「このようなレースで、状況は変化していたので、何位でフィニッシュしただろうと断言するのはかなり難しい。最初から最後までドライコンディションのレースだったら、ジョージのスタートの仕方、ギャップを築けた方法を見れば、彼はかなり楽な午後を過ごしていただろうと思う」

「しかし、実際にマシンをリタイアさせると決めた時点では、ジョージはインターミディエイトタイヤを履いて4番手でマックス(・フェルスタッペン/レッドブル)に迫っていたので、状況はよさそうだった」

「彼を表彰台に上げるには、現実的におそらくその時点でマックスを追い抜かなければならなかっただろう。なぜなら、ドライタイヤに切り替える際のルイスのストップラップは適切だったと判断したからだ。その前の時点では、湿りすぎていた可能性があったと思う。そのため、私が言ったように最低でも4位だっただろうが、インテーミディエイトでマックスを追い抜くことができれば、表彰台を狙うチャンスもあっただろう」

[オートスポーツweb 2024年07月12日]