『らんま1/2』新作アニメ化にファン歓喜、平成版からどう変わる?年代別の「そわそわポイント」

AI要約

1987年から1996年に連載された『らんま1/2』が再アニメ化されることで、40代以上のファンだけでなく、10~20代の新しいファンも注目している。

特にZ世代は作品に対する認知度が低いものの、様々なきっかけで『らんま』に触れ、ファンになる若者が増えている。

高橋留美子の作品への関心も高く、彼女のファン層は年齢を問わず広がっている。

 2022年に再アニメ化された『うる星やつら』に続き、『らんま1/2』が戻ってくる。原作や1980年代のアニメ版を幼少期に楽しんだ40代以上のファンが大興奮で待ちわびているのは当然として、気になるのは10~20代の受け止め方である。そして「平成版」と何がどう変わるのだろうか。7月中旬に予定されている声優発表を前に、ファンたちの思いを聞いてみよう。(フリーライター 武藤弘樹)

● 『らんま1/2』新作アニメ制作発表 に湧き立つ界隈

 高橋留美子原作のマンガ『らんま1/2』(連載1987~1996年)の再アニメ化が発表された。原作の人気もさることながら、1989~1992年に放送されていたアニメ版の人気も高い。また20カ国以上で出版されていて、世界的に支持されている、日本が誇るレジェンド級のマンガである。

 30年以上昔の作品であるにもかかわらず、完全新作アニメが制作されるという報を受けてファンは大喜びしている。それだけ長きにわたって愛されてきた作品だということであろう。筆者も単行本を全巻持っている。

 幼少の頃にマンガやアニメを見て楽しんでいた「らんま世代」は現在40~50代、少なくとも30代になっている。再アニメ化を受けてこの層が喜ぶのはわかるが、原作や当時のアニメにあまり馴染みのない10~20代はどう受け止めているか。年代別に分けて反応を紹介してみたい。

● 「平成版」を知らない10~20代のZ世代が 『らんま』ファンになった意外な理由

 まず、再アニメ化に対して圧倒的に高い熱量を示しているのは、数が多い往年のファン勢・30~50代である。彼らには期待か不安、またはその両方があるが、そのどれであっても感情の絶対値が大きい。詳しくは後述する。

 10~20代では『らんま1/2』という作品に対する認知度がそもそも低く、「自分の周りに『らんま』を知っている人がいない」と嘆く若者が散見される。

 しかし、そう嘆く若者はどこかで『らんま』を知るきっかけがあったわけで、どう知ったかひとつひとつ上げるとキリがなくなってしまうが、たとえば以下のようなケースがある。

・父、または母に勧められて

 ・家にあった単行本(母の蔵書)を幼稚園の頃読んだ

 ・海外の人が『らんま』のコスプレをしているのを見て、作品に興味を持った

 ・キッズステーションで再放送されていたのを子どもの頃に見た

 ・高橋留美子のファンで、さかのぼって『らんま』も読んだ

 1989年の平成版のアニメはキッズステーションや地方局などで繰り返し再放送されてきたそうなので、そこからのファンは10~30代と年齢の幅が広い。

 また、個別の作品のみならず、高橋留美子という漫画家自体についているファンも多い。高橋留美子先生はというと、昔からほぼずっと『週刊少年サンデー』で連載を続けていて、現在も『MAO』という作品をバリバリ連載中であるから、新規の高橋留美子ファンは間断なく増え続けてきているわけである。