テリオスキッド人気にあやかって登場した「テリオスルキア」! 車高を下げて2WD化……って人気部分を消して大失敗した残念なクルマ

AI要約

1997年に登場した小型クロスオーバーSUVの「テリオス」は、その後1998年に登場した「テリオスキッド」というモデルが長い人気を誇った。2002年にはこのテリオスキッドをベースに、より乗用車感をプラスした「テリオスルキア」も登場した。

テリオスルキアはエクステリアでは専用の装飾が施され、インテリアでも専用の仕様が採用された。2WDモデルでは全高を下げるためのローダウンサスペンションが採用されていた。

しかし、テリオスキッドが人気を集めた理由は5ドアボディとフルタイム4WDであったため、テリオスルキアは2003年に早々に姿を消してしまった。

テリオスキッド人気にあやかって登場した「テリオスルキア」! 車高を下げて2WD化……って人気部分を消して大失敗した残念なクルマ

 1997年に登場した小型クロスオーバーSUVの「テリオス」。そのリヤオーバーハングを短縮し、ナローボディとして軽自動車枠内に収め、660ccのエンジンを搭載したのが「テリオスキッド」というのはよく知られているところだろう。

 このテリオスキッドは実質的なライバル車であるスズキ・ジムニーや三菱パジェロミニが3ドアだったのに対し、使い勝手のよい5ドアボディとなっており、ラダーフレームやビルトインラダーフレームを採用したライバルに対して一般的なモノコックボディではあったものの、センターデフ付きのフルタイム4WDの高い走破性で(2WDモデルもあり)人気を集め、1998年のデビューから2012年までのおよそ14年という長いモデルライフを誇った1台だ。

 そんなテリオスキッドの派生車種として2002年1月に追加となったのが、「テリオスルキア」なるモデルである。このテリオスルキアはテリオスキッドをベースに、より乗用車感をプラスしたものとされており、4WDモデルではなく2WDモデルを主力としたものとなっていた。

 エクステリアでは専用の前後バンパーやヘッドライト、グリルが用意され、縦基調のグリルと4灯タイプのヘッドライト、そしてヘッドライト下に備わるウインカーをもつフロントマスクはまるでミニハリアーの装い。

 リヤは背面スペアタイヤを装備せずスッキリとしたものとなり、ナンバーはバンパーからリヤゲートに移設されているが、若干右に寄っているのはご愛嬌だ。

 インテリアは基本的な造形はテリオスキッドに準ずるものの、専用シート表皮や黒ウッド調センタークラスターなどで差別化を図り、より乗用車感を高めていた。

 そして2WDモデルでは専用のローダウンサスペンションと185/65R15のタイヤ(4WDモデルは175/80R15)の装着で全高を45mmも下げており、腰高感の解消を目論んでいたのだった。

 ただ、テリオスキッドが人気を集めたのは5ドアボディとフルタイム4WDを備えた唯一の軽自動車だったことが主な理由であり、2WDの5ドア車であればほかにもさまざまな選択肢があるなかで、あえてテリオスルキアを選ぶユーザーはほとんどいなかったようで、2003年8月には早々に姿を消している。