月末に「ボーナス」が支給されますが、有休が「30日」残っています。すべて使って退職しても大丈夫でしょうか? ボーナスが“減額”になる可能性もありますか?

AI要約

退職を考える際の有給休暇の取り扱いやボーナスの注意点について解説します。

残っている有給休暇を全て消化して退職しても法律上の問題はないが、注意が必要です。

退職を伝えるタイミングによってボーナスの減額がある可能性もあるため、慎重に行動する必要があります。

月末に「ボーナス」が支給されますが、有休が「30日」残っています。すべて使って退職しても大丈夫でしょうか? ボーナスが“減額”になる可能性もありますか?

退職を考えている場合、ボーナスを受け取ってから辞めようと考える人もいるでしょう。有給休暇がたくさん残っている場合、全て使ってからボーナスをもらいたいと思う人もいるかもしれません。

ただし、場合によってはボーナスが減額されることがあるため注意が必要です。本記事では、有給休暇を使って退職する際のポイントや、ボーナスの取り扱いについて解説します。

年次有給休暇は、労働基準法で労働者に与えられた権利です。有給休暇の付与日数は継続勤務期間や週の労働日数によって異なります。通常の労働者であれば、6ヶ月間勤務していれば10日、6年6ヶ月勤務していれば20日の有給休暇が与えられます。

有給休暇は、付与されてから2年間は取得できることになっています。このため、人によっては1ヶ月分以上の有給休暇が残っているということもあるかもしれません。

有給休暇は労働者がいつでも自由に取得できるものなので、残っている有給休暇を全て消化して退職しても法律上の問題はないといえます。

ただし、会社は有給休暇の取得時期を変更する権利(時季変更権)を持っています。時季変更権とは、業務上の理由がある場合、労働者に有給休暇の取得日の変更を求める権利のことです。

時季変更を求めることができるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」のみで、あくまで労働者の意見が尊重されます。有給取得日を別日にできないか交渉される可能性があることは覚えておきましょう。

ボーナスの支給条件は会社ごとに異なりますが、多くの会社では「在職中であること」を条件にしています。有給休暇を消化している間も、形式上は会社に在職していることになるため、ボーナスの支給対象になることが多いでしょう。

しかし、ボーナスの支給前に退職の意向を伝えることで、ボーナスが減額されることもあるため注意が必要です。

例えば、会社のボーナスの査定基準に「将来への期待値」が設けられていることがあります。退職の意向を伝えることで会社への貢献度が低いとみなされ、評価が下がる可能性も否定できないでしょう。

過去に退職によるボーナス減額について争った裁判では、「2割程度の減額は妥当である」という旨の判決が下されています。

ボーナスを確実にもらいたい人は、退職を伝えるタイミングにも注意する必要があります。