父が「昔はボーナスの額面と手取りが同じだった」と言っています。私は今年「額面50万円」から10万円ほど引かれていたのですが、本当にそんな時代があったのですか? そのまま受け取れたらかなり助かります…
2024年の夏のボーナスはもう支給されたでしょうか。物価高騰の昨今です。
ボーナスの額面金額と手取り額の差が現在大きくなっているが、昔はほぼ同額であった。
社会保険料がかかる前はボーナスの手取り額は額面金額とほぼ同額であった。
2024年の夏のボーナスはもう支給されたでしょうか。物価高騰の昨今です。給与とは別に現金が入ってくるボーナスは貴重な生活の糧となっている人も多いでしょう。ただ、ボーナスの明細を見て、額面金額と手取り額の差にがく然としたことはありませんか? 仕方ないこととは言え「こんなにも天引きされるのか……」と不満に思うこともあるかもしれません。
そしてここでさらに驚く事実があります。以前はボーナスの額面金額と手取り額が、ほぼ同じだった時代があったのです。人によっては、「そんなことあり得るの?」と思ったでしょうか。本記事で解説します。
現在、ボーナスが額面で50万円の人であれば、手取り額は約40万円です。給与の手取り額は額面金額の7割から8割と言われていますが、ボーナスについても同様の考え方で差し支えありません。
ボーナスから天引きされる税金や社会保険料の種類は給与とほぼ同じで、所得税、健康保険料(40歳以上は介護保険料も)、厚生年金保険料、雇用保険料となっています。ただ、住民税については基本的にボーナスからの天引きはないので、給与よりも若干手取り額の割合は多くなります。
ボーナスが給与1ヶ月分以上支給される場合であれば、毎月の給与よりボーナスのほうが額面上の金額は大きくなります。金額が大きいほど天引き額も比例して大きくなるので、給与に比べてボーナスは「いつもの給与以上に天引きされていないか?」と感じることもあるかもしれません。
しかし、実際は天引きの割合はほぼ変わらず、むしろ住民税がない分、ボーナスの方が額面に対する手取りの割合は大きい場合が多いのです。
昔のボーナスは額面の金額と手取り額がほぼ同じだった、というのは本当です。なぜなら、ボーナスから社会保険料が引かれていなかったからです。
よって、ボーナスから天引きされるのは所得税のみであったため、額面50万円にかかる源泉所得税は約3万円(前月の社会保険料控除後の給与が30万円、扶養親族1人、令和6年分の源泉徴収税額表により計算)となり、手取りは約47万円となります。
額面50万円に対して手取り47万円であれば「ほぼ同額」と捉えることもできそうです。