「好きだった仕事がもう楽しくない…」51歳サッカーコーチが「50代の転職」を決断、失敗しないために「捨てるべきもの」

AI要約
50代からのキャリアチェンジに悩むSさんの事例を通じて、自身の経験を活かしつつ新たな道を模索する難しさや成功のための方針を探る指導経験を持つSさんの強みとして、自ら考え教える力を持っていることが挙げられ、それを活かすために資格取得が重要である一方、自身の経験に固執することがキャリアチェンジの足かせとなりうることも示唆される
「好きだった仕事がもう楽しくない…」51歳サッカーコーチが「50代の転職」を決断、失敗しないために「捨てるべきもの」

50代ともなると、これまでの経験を違う形で活かしたい、「まだ枯れていない」と、異業種にキャリアチェンジを試みる人もいます。しかし、いざ新たな道を模索しようとしても、うまくいかないことがあります。

キャリア支援事業を行う私のもとにも、50代からのキャリアチェンジに悩む相談が寄せられます。小さい頃からサッカーを教えることが好きで、専門学校を卒業後にサッカースクールのコーチになったS(仮名=以下同)さんを例に、キャリアチェンジがうまくいかない理由と、対策を考えていきたいと思います。

51歳のSさんはコーチ職以外の営業職などに就職した経験があるようですが、なかなか続かず、これまでサッカーのコーチだけは長く続いていました。しかし、最近は好きで続けていた仕事が楽しくないそうです。よくよく聞いてみると、会社の方針転換が理由だと言います。

これまでは自分の経験から子どもたちに合わせてどう教えればいいか、試行錯誤ができていました。ところが、最近、入社してくる新人コーチはそれができないため、決まった教え方が必要となり指導マニュアルが導入されたそうです。そうなると、今のスクールでは自分で考えた方法で教えられなくなるので、それなら自分のキャリアを活かせるような仕事に就きたいという相談でした。

Sさんの一番の強みは、指導法を自身で考えて子どもの個性に向き合って教えられること。これはサッカーを教えるノウハウというより、自分の中で考えを整理して教える力がある証拠。だから、教えることのスペシャリストであることが第三者からでもわかる資格があれば、キャリアチェンジは成功すると私は思いました。いまの時代、継続=価値という時代ではなく、継続に成長や進化を掛け合わせる時代でもあります。

例えば、Sさんにコーチングや心理カウンセラーなど人を導く資格を習得して、教えることをより「進化させる」ことができれば、Sさんのキャリアの選択肢も広がります。長い指導経験にその根拠となる資格を持たせることで、Sさんのキャリアチェンジのストーリーは成功につながるでしょう。

ただ、自身の経験が邪魔することもあります。「自分はこの方法でやってきた」とプライドのようなものがあると、変化を受け入れることの足かせになってキャリアチェンジの壁になります。