株の配当金、「年間100万円」以上もらえるのが理想だが…調査でわかった「厳しい現実」とのギャップ

AI要約

SMBC日興証券株式会社が実施した「株の配当金に関する調査」によると、7割の投資家が配当株に投資していることが明らかになった。

投資家の間では、高配当かつ安定感のある巨大企業の株への注目が高まっており、特に新NISAを利用する個人投資家たちは配当株を好んでいるようだ。

調査では、配当株に投資している人の理想の配当金は年間100万円以上であるが、実際の配当金は1万円以上5万円未満が多いことが分かった。

株の配当金、「年間100万円」以上もらえるのが理想だが…調査でわかった「厳しい現実」とのギャップ

SMBC日興証券株式会社は、投資情報サービス「日興フロッギー」を調査主体として、「株の配当金に関する調査」を実施した。この調査から「理想の配当金額」など興味深い回答結果を見てみよう。

同調査では、まず回答者(954名)のうち、投資や資産運用をしている430名に、「配当金の出る株式に投資をしていますか」と質問。

じつに7割が「配当株」に投資をしていると回答した。

IR評論家の三ツ谷誠氏も指摘しているように、日経新聞の報道によれば、新NISAを通じ投資に足を踏み入れた個人投資家たちはNTTや三菱UFJフィナンシャルグループ、JTなど安定感を感じさせる巨大企業で、かつ高配当の株を選好しているという(関連記事:10年で株価50倍の銘柄も…低迷する「グロース市場」にひそかに眠る「お宝銘柄」の発掘法)。

個人投資家の「配当株」への注目・期待が伺い知れるものだ。

それでは、「配当株」に投資をしている人は、年間どれくらいの配当金が手に入ればいいなと思っているのだろう。

同調査で、配当株に投資をしている人に、「理想の配当金の水準」を聞いたところ、4人に1人が「年間100万円以上もらえる」のが理想だと回答した。

年100万円とは夢のある数字だが、実際にこの金額の配当金を得るのは簡単でない。

(税金を考慮しないで計算しても)利回り4%で2500万円、利回り3%の3,333万3,333円の元手が必要になる。

特に新NISAから投資を始めたような人には、長期の運用が必要になるだろう。

最後に、「配当株」に投資をしている人の「現実」を同調査からお伝えしよう。

配当株に投資をしていると回答した299人に実際の配当金を聞いたところ、4人に1人が「1万円以上5万円未満」と回答。「1万円未満」と回答した人と合わせると、約半数が5万円未満との結果になっている。

さきほど「理想の配当金の水準」として紹介した「100万円」以上と答えた人は4.3%にとどまる。

千里の道も一歩から。この「理想」と「現実」のギャップを埋めるには、安定して配当を生む銘柄を選び、コツコツと運用を続けていくことが必要だろう。

【本記事で引用した調査の調査概要】

期間:2024年6月7日~6月14日

対象:Fastaskによるインターネットアンケート回答者

有効回答数:954件

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