3.6億円築いた凄腕投資家…スタートは2銘柄を100万円で購入、ビギナーズラック後は「投資にのめり込むほどマイナスに」…「伊藤忠株、売らなければ今ごろ・・・」

AI要約

1990年代後半にIT企業に勤めていたはっしゃんさんが株式投資を始め、初めての投資では1勝1引き分けの結果だった。

個人投資家が多くはない時代にも、ハードルは下がっていた。1999年に株式売買委託手数料が完全自由化となり、証券会社の競争が激しくなった時期だった。

旭光学工業(現在のリコー)の株での成功はビギナーズラックだと語るはっしゃんさんは、その利益をきっかけに株式投資を続ける決意をした。

3.6億円築いた凄腕投資家…スタートは2銘柄を100万円で購入、ビギナーズラック後は「投資にのめり込むほどマイナスに」…「伊藤忠株、売らなければ今ごろ・・・」

 ITエンジニアで投資家Vtuberのはっしゃんさんは、投資暦30年で3.6億円以上もの資産を築いてきた。株式の価値を業績や財務情況から算出した本来あるべき株価を示す理論株価や、月次情報の優位性にいち早く気づき、その分析法をSNSなどで教えている。早くから成功を収めているように思えるが、「成功し続けていた」わけではないと語る。全3回にわたり、はっしゃんさんの投資履歴から成功法を学んでいく。

――まずは、はっしゃんさんが投資家になった経緯を教えてください。

 1990年代後半、IT企業に勤めていた私は、自社株を買って初めての投資をしました。証券会社に口座を開いてみると、株に興味が出て少しずつ買い始めたのです。当時は、バブルが崩壊して株価が低迷していたので「ひょっとしたら今が買い時なのかもしれない」と値頃感で買っていました。最初は深く考えていませんでしたが、四季報などを買って2銘柄をチョイス。100万円の予算でそれぞれ50万円ずつ資金を振り分け、投資をスタートしました。

――その2つの銘柄の利益は出ましたか?

 結果から申し上げると、1勝1引き分けでした。プライベートで使っていたカメラのメーカーが旭光学工業(現在のリコー(7752))だったので、身近に感じて株を購入。

 さらに、友人が勤めていた銀行の株も買ってみました。旭光学工業は、250円ぐらいのときに買い、株価が2倍の500円ほどになって利食いしたのを覚えています。一方で、銀行の株価はあまり変動せず……。価格が動かないまま、しびれを切らして売りました。

 しかし、旭光学工業の株での成功はビギナーズラックとはいえ、やはり利益がでると嬉しいもので、株式投資を続けてみようというモチベーションに繋がりました。

――今のように個人投資家が多くはない時代では、株式投資のハードルが高かったのではないかと思います。実際はいかがでしたか?

 1999年に株式売買委託手数料が完全自由化となり、証券会社の競争が激しくなると期待されていた時代でした。ネット証券も普及し始めていたので、窓口で買うのと比べると、ハードルは下がっていたと思います。