誰しもが自分自身を解放できる空間「センサリールーム」が、病に苦しむ子どもと家族にひとときの癒しを届ける

AI要約

札幌に新たに登場したセンサリールームがある施設「ドナルド・マクドナルド・ハウスさっぽろ」は、病気と闘う子どもや家族のための滞在施設であり、団欒の時間を提供している。

施設は、親子が遠方から通院している場合や入院中で外泊が許可された際に利用され、1泊1000円で宿泊が可能。全員がボランティアのスタッフを持ち、ハウスは第二の家のような温かい雰囲気を提供している。

ハウスは、米国で初めて誕生したハウスに由来する名前だが、ファストフード店のマクドナルドとは資本関係がなく、寄付によって運営されている。

誰しもが自分自身を解放できる空間「センサリールーム」が、病に苦しむ子どもと家族にひとときの癒しを届ける

心地よい音や照明、空気質を組み合わせた、誰にでも過ごしやすい空間「センサリールーム」。日本では欧米に比べてセンサリールームの普及が遅れていますが、感覚過敏の人に向けたものなど、その数は徐々に増えています。

そんな潮流のなか、この6月、札幌に新たなセンサリールームが登場しました。それがある場所は、病に苦しむ子どもと家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウスさっぽろ」。

子ども専門としては道内最大の病院「北海道立子ども総合医療・療育センター(通称:コドモックル)」のそばに位置するこの施設では、病と戦う子どもや家族に泊まる場所を提供し、家族団欒のひとときをもたらしています。当所に誕生したセンサリールームと、そこに込められた想いを取材しました。

コドモックルには、北海道全体から、多くの患児や家族が救いを求めてやってきます。北海道は広いゆえ、遠方から来院する人も多く、移動・診察だけで丸一日必要になってしまうケースも多数。また、入院をしている子どもたちにとっては、家族との時間が限られてしまうという問題があります。

ドナルド・マクドナルド・ハウスさっぽろは、そんな子どもたちや家族に、団欒の時間を提供しています。遠くから通院している親子のための宿泊施設として。あるいは、入院中で外泊を許可された子どもと家族が水入らずの時間を過ごす場所として。1人1泊1000円での利用が可能で、月に30~50の家族が宿泊しています。

ハウスの運営コンセプトは、まるで家にいるかのように過ごせる「第二の家」。宿泊用のバストイレ完備の個室のほか、3家族が同時に使える共用キッチンや広々としたダイニングなどがあり、家にいるのと同様に過ごすことができます。ハウスの運営資金は寄付のみで成り立っており、スタッフは全員がボランティア。人の心の温かみを感じられる施設です。

ちなみに、ドナルド・マクドナルド・ハウスと、ファストフード店のマクドナルドの間に資本関係はありません。米国で初めて誕生したハウスに、マクドナルドの創業者が多大な寄付をしたことから、「ドナルド・マクドナルド」の名を冠するようになったそうです。