米銀大手の決算発表、きょうスタート-好調な株価の先行きを占う公算

AI要約

米銀大手の株価が市場全体を圧倒し、2021年以降で最良のパフォーマンスを示している。

投資家は金融機関の収益見通しを明るく評価し、手数料ビジネスや融資業務の回復に期待している。

米銀大手の第2四半期の決算が始まる中、市場は銀行株の未来に楽観的であり、利下げや活性化を期待している。

(ブルームバーグ): 米銀大手の株価は今年、市場全体を圧倒する勢いだ。金融機関の業績見通しは今後数四半期で明るさを増すと投資家は期待する。

大手6行のうちシティグループとゴールドマン・サックス・グループ、バンク・オブ・アメリカ(BofA)など5行の株価は今年、S&P500種株価指数を上回る上昇ペースだ。S&P500種と比較した年初来のパフォーマンスは2021年以降で最も良い。

米銀大手の4-6月(第2四半期)決算発表が12日に始まる。金融機関の重要な収益源である純金利収入(NII)が再び減少するとの予想を投資家は受け流し、代わりに投資銀行業務など手数料ビジネスの明るい見通しや、少なくとも一部銀行で融資業務の利益回復の兆しを期待している。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(KBW)のアナリスト、デービッド・コンラッド氏は「短期的にはその勢いが続くと思う。NIIの緩やかな減少傾向を予想するが、率直なところ、資本市場からの収入や手数料収入がそれを覆い隠す」と見解を示す。

JPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴ、シティは12日午前、ゴールドマンは15日、モルガン・スタンレーとBofAは16日にそれぞれ決算を発表する。特に投資家が注目するのは、第2四半期が底になるとしていたBofAからのコメントだ。

銀行セクターに強気の投資家は、ウォール街が予想する銀行の今後1年の1株利益が昨年半ば以降と同程度に明るい点を挙げる。米金融当局が最終的に利下げに動けば、預金コストが低下し信用不安が緩和され、資本市場が活性化するという期待が楽観論の一因だ。

今年の銀行株のアウトパフォームは、地銀の相次ぐ破綻で苦戦した前年同期とは対照的だ。収入源の分散が進んでいない中小の銀行と比べると、大手行の株価ははるかに好調で、JPモルガンとゴールドマンは過去最高値圏、ウェルズ・ファーゴなどは数年ぶりの高値圏近辺で取引される。