【解説】世界初“陸上養殖”のあおさ即席みそ汁 新入社員が8年かけた“極秘プロジェクト” 味や栄養素変わらず安定供給へ

AI要約

マルコメは世界初の陸上養殖あおさを使用した即席みそ汁を販売開始する。開発は秘密プロジェクトとして8年かかり、新入社員が成功させた。

あおさは海上養殖が危機的状況にあり、陸上養殖は気候変動に左右されず通年養殖が可能になった。年間収穫量を増やす計画も進行中。

陸上養殖では異物混入のリスクをコントロールしやすく、暑さに強い品種が発見されたことで、安定的な供給が期待されている。

【解説】世界初“陸上養殖”のあおさ即席みそ汁 新入社員が8年かけた“極秘プロジェクト” 味や栄養素変わらず安定供給へ

みそメーカーのマルコメは、世界初の陸上養殖あおさを使用した即席みそ汁を9月から販売を開始する。

気候変動で海上養殖のあおさが枯渇する中、新入社員が8年間の研究を経て、暑さに強い品種を発見し、通年養殖が可能となった。

世界で初めて、陸上養殖の「あおさ」を使ったみそ汁が登場する。

みそメーカーのマルコメは9月から順次、即席みそ汁のあおさを「陸上養殖のあおさ」に切り替えると発表した。

温暖化の影響で、あおさは資源の枯渇が危機的状況で、気候変動に左右されない安定的な供給に向け、マルコメは陸上養殖の研究を8年前から始めていた。

マルコメ開発部資源開発課・松島大二朗課長は「(通年養殖するために)ある程度の暑さにも耐えうるあおさの種を探すことに、かなり時間を割いてきた。(この取り組みは)幅広く全世界の方に、あおさの良さを知っていただくきっかけにもなるのかなと思います」と話している。

マルコメは、陸上養殖あおさの年間収穫量を、2027年度までに14トンに増やしたいとしている。

ここからは、あおさの陸上養殖についてくわしく解説する。

木村 拓也 キャスター:

陸上のあおさ養殖ができたということですが、開発者は当時新入社員だった男性で、8年がかりで極秘プロジェクトとして、研究していたといいます。

世界初のプロジェクトで、成功できるかも分からないため、大量生産のめどが立つまでは秘密にしていたそうです。

青井 実 キャスター:

ーー社員にも秘密ということで、どうやり過ごしていたのでしょうか?

木村 キャスター:

開発部に所属していましたが、ほかの社員からは「あおさの何かの開発をしているのかな?」程度にしか思われなかったといいます。

青井 キャスター:

ーー8年も時間がかかるものなのですか?

木村 キャスター:

暑さに強いあおさの種を見つけるのに、非常に時間がかかったといいます。各地を探し回った結果、ようやく見つかったということです。

そもそも、あおさの収穫量は、地球温暖化の影響などもあり、危機的な状況になってしまっているといいます。1985年には1400トン採れましたが、現在は約300トン程度に落ち込んでいます。

また、あおさは通年採れるわけでなく、基本的には冬しか採れません。陸上養殖は水温を調整でき、暑さに強い品種を発見したため、通年養殖が可能になりました。また、陸上養殖では異物混入のリスクも、人工的にコントロールしやすいため軽減できます。