日銀の国債購入の減額、規模は?ペースは? 金融機関の意見に隔たり

AI要約

日本銀行は金融政策決定会合で国債の買い入れ減額計画を決めるため、債券市場参加者会合を開催した。

日銀は大規模な金融緩和の一環として国債を大量に買い入れた結果、減額方針を決定。市場参加者の意見を聞き、現在の買い入れ額から減額幅やペースを決定する予定。

意見は幅広く、「1兆~2兆円程度の減額が望ましい」といった声から、「買い入れゼロまでのパスを示すことが重要」といった声まで出され、減額計画に関する意見には差異がある。

日銀の国債購入の減額、規模は?ペースは? 金融機関の意見に隔たり

 日本銀行は9~10日、今月末に開く金融政策決定会合で示す国債買い入れの減額計画をめぐり、「債券市場参加者会合」を開いた。日銀は会合で得た金融機関からの意見を参考に、減額幅やペースなどを決めるとしている。丁寧な手続きを経ることで、金融市場の混乱を避ける狙いがあるが、参加者の意向には隔たりも大きい。

 日銀は6月の決定会合で、現在は月6兆円程度としている国債の買い入れ額を減らす方針を決めた。その際、市場参加者の意見を聞く場を設け、7月会合で1~2年程度先までの減額ペースや減額幅を示すことにした。11年に及ぶ大規模な金融緩和の一環として日銀が国債を大量に買い入れた結果、保有残高は発行残高の5割超、約580兆円まで膨らんでいる。植田和男総裁は6月会合後の記者会見で、減額幅を「相応な規模」とした上で、「市場参加者の意見も伺って、丁寧に進めたい」と述べた。

 日銀によると、債券市場参加者会合は日銀本店で開かれ、国債の売買に携わる銀行や証券会社、保険会社の関係者らが出席した。事前に望ましい減額幅を尋ねると、「国債買い入れ額を大きく増加させる前の月1兆~2兆円程度を目指すべきだ」「海外の中央銀行の事例を踏まえ、月2兆~3兆円程度の減額が望ましい」などの意見がでた。「買い入れ額ゼロまでのパス(道筋)を示すことが重要」との声もあり、意見には幅があった。