日銀の国債購入減額、機関投資家からも意見求める-実務者会合2日目

AI要約

日本銀行は機関投資家からの長期国債買い入れ減額について意見を収集中。

市場参加者の間には日銀に積極的な減額を求める声があり、新発債利回りは上昇傾向に。

市場では減額計画が焦点となっており、意見は分かれている。

(ブルームバーグ): 日本銀行は10日午後、前日に続いて債券市場参加者会合を開催し、機関投資家から日銀による長期国債の買い入れ減額について意見を聞く。

複数の関係者への取材によると、9日の銀行や証券会社などとの会合では、メガバンクを中心に日銀に積極的な減額を求める意見が出た。国債を購入して運用する生命保険会社や信託銀行、年金基金などの機関投資家からも同様の姿勢が示されるかが注目される。

10日の債券市場では、日銀による大幅な買い入れ減額への警戒感から売りが優勢となり、新発10年債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)高い1.085%に上昇。新発20年債利回りは2bp高い1.96%と2011年以来の高水準を付けた。

日銀は6月の金融政策決定会合で国債購入の減額方針を決定。市場参加者の意見は、今月末の決定会合で決める「今後1-2年程度の具体的な減額計画」を議論する上での重要な材料となる。減額計画が市場のコンセンサスを上回るペースや額になるかが焦点となっている。

ブルームバーグが6月の決定会合後に行ったエコノミスト調査では、まず5兆円程度に減額し、半年ごとに段階的に縮小して、2年後に3兆円程度まで圧縮する姿が中心的な見方となった。植田和男総裁は同会合後の記者会見で、「減額する以上、 相応な規模になる」との見解を表明した。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、債券市場参加者会合について「市場ではどのくらいの人がどちらの方向に寄ったのか、有力な参加者がどういった意見を述べたのか当然気になっていた」と指摘。「前日の報道を受け、減額幅が大きい方向に意識が向いている格好だ」と語った。

関係者によると、銀行との会合では、三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行の3行のうち、1行が早い段階で大きく一気に減額すべきだと発言。別の1行は最終的に月間1兆円への減額を主張し、もう1行は3兆円に減額すべきだと述べた。地銀からはより慎重な姿勢が示されたという。メガ3行の広報担当者はいずれも、コメントを差し控えると回答した。