〔米株式〕NYダウ上伸に転じる、93ドル高=ナスダックは高い(9日午後)

AI要約

ニューヨーク株式市場は、パウエル米FRB議長の議会証言を受けて続落し始めたが、その後買い戻され上昇に転じた。

パウエル議長は金融政策に関し慎重な姿勢を示し、インフレと景気の動向に目配りしながら利下げ時期を探る考えを明らかにした。

利下げの適否はインフレだけでなく労働市場の動向にも依存し、FRBが9月にも利下げに動く可能性が意識される展開となった。

 【ニューヨーク時事】9日午後のニューヨーク株式市場は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受け、続落して始まった。その後は同議長の質疑応答などを受けて買い戻され、上伸に転じている。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午後0時51分現在、前日終値比93.40ドル高の3万9438.19ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は3.52ポイント高の1万8407.26。

 パウエル議長は9日、上院銀行委員会で金融政策に関し「直面するリスクは高インフレだけではない」と証言、物価と景気の動向双方に目配りし、慎重に利下げ時期を探っていく考えを示した。パウエル氏はインフレ鈍化に小幅な進展が見られたとしつつも、「インフレが2%の目標に向かって持続的に低下するとの確信をさらに得るまで利下げが適切とは思わない」と改めて指摘。FRBが現行の政策金利を当面据え置くことを示唆したと受け止められ、米長期金利が上昇し、米株が一時売られた。

 ただ、パウエル議長は、利下げは指標のほか、「労働市場の動向」次第だとし、予想外に労働市場が悪化すれば利下げに踏み切る方針も示した。さらに質疑応答ではインフレ減速を示す指標がさらに続けば、「確信が強まる」と表明したことで、FRBが9月にも利下げに動く可能性が改めて意識され、米株はプラス圏に浮上した。エヌビディアなど半導体銘柄に旺盛な買いが入っていることも投資家心理の改善につながったもようだ。