リスク、インフレだけでない 景気にも目配り 米FRB議長

AI要約

米FRBパウエル議長が金融政策に関する証言。高インフレリスク以外にも慎重な姿勢を示す。

利下げの時期を慎重に判断。早すぎればインフレ再燃、遅すぎれば景気悪化のリスク。

インフレが2%目標に向かう確信を得るまで利下げは適切でないと強調。インフレ減速を示す指標で判断。

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は9日、上院銀行委員会で金融政策に関し「高インフレだけが直面するリスクではない」と証言した。

 物価と景気の双方の動向に目配りし、慎重に利下げ時期を探っていく考えを示した。

 パウエル氏は利下げが早すぎればインフレが再燃し、遅すぎても不必要な景気と雇用の悪化をもたらすと警戒。経済指標や見通しの推移などについて「慎重に精査し続ける」と強調した。

 米国のインフレ率はピークから大きく低下したものの、FRBの物価目標である2%を依然上回って推移。今年に入り、インフレ鈍化の進展も小幅にとどまっている。FRBは政策金利を年5.25~5.50%の現行水準で維持することで景気を冷まし、インフレ減速を促す姿勢を示してきた。

 パウエル氏は「インフレが2%の目標に向かって持続的に低下するとの確信をさらに得るまでは、利下げが適切とは思わない」と改めて強調。ただ、インフレ減速を示す指標がさらに続けば、「確信が強まる」との見方を明らかにした。