ＦＲＢ議長、利下げ巡り「良いデータ得られれば確信強まる」…上院公聴会で証言
AI要約
米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長は、米議会上院で利下げの開始時期やインフレ率について説明した。
労働市場の堅調さやインフレ率の上昇だけがリスクではないとし、景気後退への懸念も示した。
ＦＲＢは政策金利を据え置くことを決定し、パウエル議長は議会で証言する予定である。
【ワシントン＝田中宏幸】米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長は９日、米議会上院銀行・住宅・都市問題委員会の公聴会で証言に臨んだ。利下げの開始時期を巡り「直近の指標は緩やかな進展を示しており、さらに良いデータを得られればインフレ（物価上昇）率が持続的に２％に向かっているとの確信がさらに強まるだろう」との見解を示した。
パウエル氏は冒頭、労働市場について「堅調さを維持しながらも冷え込んでいる」とし、「今年初めは物価目標の２％に向けた進展は乏しかったが、直近の指標は緩やかな進展を示している」と説明した。
「インフレ率の上昇だけがリスクではない」とも述べ、利下げの遅れによる景気後退への懸念も示した。
ＦＲＢは６月の連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）で政策金利を年５・２５～５・５０％に据え置くことを決定し、年内の想定利下げ回数を従来の３回から１回へと引き下げた。パウエル氏は１０日、米議会下院でも証言する予定だ。
