クレディ・スイス危機、当局でなく経営陣の責任=中銀総裁

AI要約

スイス国立銀行総裁はクレディ・スイスの危機は同行の経営陣の誤った判断によるものであり、SNBは十分な措置を講じたと述べた。

UBSによるクレディ・スイス買収は最良の選択肢であり、全面的な介入は政治家の決定が必要であると強調された。

銀行規制の策定は政府や金融市場監督機構と協力して取り組むべきであり、銀行は十分な自己資本を保持すべきだと述べられた。

クレディ・スイス危機、当局でなく経営陣の責任=中銀総裁

[チューリヒ 5日 ロイター] - スイス国立銀行(SNB、中央銀行)のトーマス・ジョルダン総裁は5日、金融大手UBSによる買収につながったクレディ・スイスの危機はスイス金融当局ではなく、同行の経営陣が引き起こしたとの見解を示した。地元紙ル・タンが報じた。

ジョルダン氏は同紙のインタビューで「破綻はクレディ・スイス経営陣の誤った判断の結果だ。スイス当局は十分な心構えができていて、世界的な金融危機を回避するのに必要な措置を講じた」と強調した。

また同氏は、UBSによるクレディ・スイス買収は利用できる最良の選択肢であり、SNBの介入には限界があったと指摘。全面的な介入は公的資金の投入を伴うため、実行するかどうかはSNBではなく、政治家が決めるべきことだと説明した。

同氏はそれでも教訓を学ばなければならないとした上で、銀行規制の策定は政府や金融市場監督機構(FINMA)とともにSNBの課題だと付け加えた。

政府は既にUBSをはじめとするシステム上重要な銀行に対する自己資本規制の強化などの措置の概要をまとめているが、具体的な金額は明示していない。

同氏によると、銀行が必要とする自己資本の額を「慎重かつ現実的に」算定することが重要で、銀行は危機発生時に損失を吸収するのに十分な資本を保有すべきだという。