〔東京外為〕ドル、161円台半ば=米金利上昇で水準切り上げ(2日午前9時)

AI要約

2日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場は、米長期金利の上昇に支援され、1ドル=161円台半ばに水準を切り上げている。

前日の海外市場では、トランプ前大統領の再選によるインフレ圧力増大への懸念が意識され、米長期金利が上昇し、ドル円も買われた。

東京時間も買いが入りやすいが、政府・日銀への介入警戒感もあり、ドル円の上昇余地は限られる公算が大きい。

 2日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利の上昇に支援され、1ドル=161円台半ばに水準を切り上げている。午前9時現在、161円50~52銭と前日(午後5時、161円01~03銭)比49銭のドル高・円安。

 前日の海外市場では、米国時間に上昇基調を強めた。米大統領選をめぐり、トランプ前大統領が返り咲くと、関税引き上げがインフレ圧力を強める、と懸念され、米長期金利が上昇。ドル円も買われ、中盤には161円70銭台まで上値を切り上げた。終盤は徐々に売り戻され、161円40銭台に伸び悩んだ。東京時間の早朝も同水準となっている。

 前日の米国時間には、6月の米ISM製造業購買担当者景況指数(PMI)が弱めとなり、米金利低下とドル売りが誘われたが、影響は一時的にとどまった。弱めの経済指標よりも、「トランプ氏の再選によるインフレ圧力増大への懸念が意識された」(FX業者)と指摘されている。

 東京時間も「買いが入りやすい」(同)とみられるが、「やや上昇ピッチが速いため、政府・日銀への介入警戒感も強まっている」(大手邦銀)こともあり、ドル円の上昇余地は限られる公算が大きい。また、日本時間の今夜にはパウエルFRB議長やラガルドECB総裁らが討論に参加する予定であり、「積極的にはポジションを持ちにくい」(同)との声も聞かれる。

 ユーロは対円で堅調、対ドルで小安い。午前9時現在、1ユーロ=173円40~41銭(前日午後5時、173円16~19銭)、対ドルでは1.0736~0737ドル(同1.0754~0754ドル)。