〔東京外為〕ドル、160円台後半=米PCE物価鈍化で小幅下落(1日午前9時)

AI要約

ドル円相場は5月の米PCE物価の鈍化を受け、小幅に下落した。ただし、米長期金利の上昇でドル円は一時上昇したものの、160円80銭台で伸び悩んでいる。

米PCE物価は前年同月比で2.6%上昇し、市場予想と一致。この結果を受けてインフレ沈静化の兆しが示され、米長期金利が低下、ドル円も売られたが、後に買い戻されている。

今後は介入警戒感からドル円の上値が重く、160円台後半を軸にしたもみ合いが続く見通し。米雇用統計の発表も控え、様子見ムードが強まる。

 1日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前週末に発表された5月の米個人消費支出(PCE)物価の鈍化を受け、1ドル=160円台後半で小幅に下落している。午前9時現在、160円91~93銭と前週末(午後5時、160円92~93銭)比01銭のドル安・円高。

 前週末の海外市場では、欧州時間は調整売りが優勢となったほか、米国時間の序盤は5月の米PCE物価の鈍化も圧迫要因となり、一時160円20銭台まで下げた。その後、米長期金利が上昇に転じ、ドル円も買い戻されたが、終盤は160円80銭台で伸び悩んだ。週明け東京時間も同水準。

 5月の米PCE物価は、総合、コアとも前年同月比で2.6%上昇と、伸び率はともに前月から鈍化。市場予想と一致した。インフレ沈静化の兆しが改めて示され、米長期金利は低下し、ドル円も売りが強まった。その後、欧州債下落(利回りは上昇)になびいて米長期金利は上昇し、ドル円も買い戻されたが、前週末の東京時間夕方の水準にはわずかに届いていない。

 東京時間は、米長期金利が上昇に転じたことが支援要因ながらも、介入警戒感から上値は重く、「160円台後半を軸としたもみ合いに終始するだろう」(大手邦銀)とみられる。今週は、週末に米雇用統計の発表も控え、「いったんは様子見ムードが強まる」(同)との声が聞かれる。

 ユーロは対円、対ドルで堅調。午前9時現在、1ユーロ=172円74~76銭(前週末午後5時、172円12~13銭)、対ドルでは1.0734~0735ドル(同1.0696~0697ドル)。