2024年7月の住宅ローン金利(132銀行・1000商品)をランキングで比較! 変動金利、10年固定、全期間固定の金利動向は?

AI要約

2024年7月の住宅ローン金利動向について、変動型は史上最低金利を維持し、10年固定や35年固定はやや引き上げとなっています。

住宅ローン金利は長期的に見れば低金利が続いており、主戦場である変動金利に競争が続いています。

日銀のマイナス金利解除により、一部の銀行が金利を引き上げており、今後の住宅ローン金利の上昇が予想されています。

2024年7月の住宅ローン金利(132銀行・1000商品)をランキングで比較! 変動金利、10年固定、全期間固定の金利動向は?

2024年7月の住宅ローンの金利推移・動向は、変動型は据え置きで、10年固定、35年固定はいずれもやや引き上げとなっています。フラット35(買取型)は1.840%に引き下げとなりました。なお、変動型は史上最低金利を維持しています。本記事では、住宅ローンの金利推移を中心に、ランキングなども解説します。

 まずは住宅ローン金利の、過去約40年分の長期的推移を見てみましょう。

 1990年代前半のバブル崩壊以降、住宅ローン金利はほぼ一貫して下落してきました。当時は変動金利が8.0%以上という時期もありますが、現在は0.5%を切る低金利になっています。

 全期間固定金利の「フラット35(2003年以前は住宅金融公庫)」の金利もほぼ一貫して下落してきましたが、日銀による異次元金融緩和の終了に伴って、近年は上昇傾向にあります。とはいえ、長期的に見ればなお低金利といえます。

 それでは、変動金利、10年固定金利、35年固定金利それぞれの金利推移や動向、最新のランキングを見ていきましょう。

 では、諸費用などを加味した「実質金利」ベースで、本当に割安な住宅ローンを見ていきましょう(表面金利が低くても、諸費用が高ければ意味がありません。両者を合計したのが実質金利です)。

 最新の変動金利ランキングは以下のような結果となりました。2024年7月の「変動金利(新規・借り換え)」の実質金利ランキングについては、auじぶん銀行がトップとなりました。

 auじぶん銀行は、「住宅ローン金利優遇割」として、新規借入が0.179%、借り換えが0.169%という超低金利のキャンペーンを打ち出しており、表面金利においては他行の追随を許しません。

 注意点としては、ランキングの金利の安さだけを見るのではなく、各銀行の条件や適用される優遇について詳しく理解することが重要です。

 以上、各銀行の詳細な条件はホームページに記載されていますが、見つけるのが難しいこともあります。契約前にしっかりと確認するようにしましょう。

上位銀行の変動金利の推移 以下は、新規借入の上位銀行の変動金利(表面金利)推移(前月比)です。

1位、auじぶん銀行 年0.179%(前月比+0.010%)住宅ローン 全期間引下げプラン(新規借入、住宅ローン金利優遇割)

2位、PayPay銀行 年0.270%(前月比▼0.045%)住宅ローン 全期間引下げ(新規借入)頭金10%以上

3位、SBI新生銀行 年0.290%(前月比±0.000%)住宅ローン 変動金利半年型タイプ 手数料定率型(新規借入)金利優遇キャンペーン

4位、住信SBIネット銀行 年0.298%(前月比±0.000%)住宅ローン 通期引下げプラン(新規借入、WEB申込コース)

4位、SBIマネープラザ 年0.298%(前月比±0.000%)住宅ローン・通期引下げプラン(住信SBIネット銀行の対面専用商品、新規借入)

 2024年7月の「変動金利(新規借入)」は、調査した主要14行の住宅ローン金利について、auじぶん銀行が金利を引き上げ、PayPay銀行は金利を引き下げました。

 変動金利はもっとも利用者が多く、金利競争の主戦場となっています。各銀行による金利の引き下げが続いており、現在も過去最低水準のままです。

変動金利の推移(主要銀行) 以下は、主要銀行の変動金利の推移(2018年1月~現在まで)です。

変動金利関連の動向:マイナス金利解除による影響は? 2024年3月の日銀の金融政策決定会合で、マイナス金利政策が解除されました。これを受けて、一部の銀行は預金金利を引き上げており、とうとう住信SBIネット銀行、イオン銀行が短期プライムレートを引き上げると発表。ようやく住宅ローンの金利が上昇する準備が整いつつあるようです。

 この1年間を見ると、20を超える金融機関が変動金利を引き下げてきました。いち早く金利を上げると取引が激減するおそれがあるため、なかなか金利を上げることができないように見えます。

 なお、4月に短期プライムレートの利上げを発表した住信SBIネット銀行については、短期プライムレートを0.1%利上げし、住宅ローンの基準金利も同じく0.1%利上げしました。しかし、引き下げ幅を0.1%拡大したことで、新規取引の場合の適用金利は0.298%と変わりませんでした。

 これだけを見ると、利上げの影響がないように見えますが、それはこれから住宅ローン借りる人だけの話です。すでに住信SBIネット銀行にて住宅ローンを変動金利で借りている人は、引下げ幅は契約時に決まった金利のままなので、適用金利が上昇する可能性があるのです。

 つまり、新規のお客様は利上げがなかったのですが、既存のお客様は利上げとなるのです。このようなステルス利上げが始まっているのです。

 そもそも変動金利は、0.2~0.3%台の低金利が常態化しつつあります。今後は各社とも、行き過ぎた低金利を修正するという、地ならしのような動きがあるのではないでしょうか。

 その上昇幅ですが、預金金利の上昇幅と連動する可能性が高いため、ここ数カ月においては、上昇しても0.1~0.2%程度に収まると考えています。

 ただし、2024年末に向けて、日銀の利上げのペースにもよりますが、変動金利は0.5~0.8%を目指して上昇していくものと予想しています。